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次世代へ進化した2-in-1ノートPC「Surface Pro 7」を紹介!

皆さんこんにちは!今回は第10世代Coreプロセッサーを搭載したマイクロソフトの人気ノートPC「Surface Pro 7」ご紹介します。

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使い勝手の良い2-in-1ノートPC

Surface Pro 7の一番の特徴は、キーボードと液晶画面を切り離してタブレットとしても使用できる2-in-1タイプのパソコンとなっている点です。筆圧検知の機能も搭載しているため、タッチペンでの細かな入力が可能なのも嬉しいポイント。

また、タブレットを自立させるためのスタンドも搭載されているため、キーボードを外した状態でも自分の好きな角度に調節して使用することができます。

 

幅広く選べるパーツ構成

Surface Pro 7には複数のモデルが用意されていて、CPUはCore i3~i7、メモリは4GBから16GB、ストレージは128GBから1TBまでと用途や予算に応じて幅広く選べるようになっています。

画面は12.3インチの液晶ディスプレイで、解像度は2736 x 1824と非常に高く鮮やかで繊細な映像表現も大きな魅力です。外部入力端子はUSB-CとUSB-Aの両方に対応で拡張性もまずまず。

 

薄型軽量の本体で持ち運びにも便利

タイプカバーを外した本体重量はCore i3・i5モデルが775g、i7モデルが790gと他社の最軽量ノートPCと同等レベル。タイプカバーキーボードを設置するともう少し重くはなりますがそれでも日常的な持ち運びに十分実用的な軽さです。

またCore i3とi5モデルはファンレスとなっていて、ほぼ無音の静音性を備えているという点も好印象。学校やオフィスなどの静かな環境でもPCの音を気にすることなく使用することができます。

 

Surface Pro 7 仕様
画面サイズ  12.3型
CPU  Core i3~i7
メモリ  4~16GB
ストレージ  SSD 128~1TB
重量  775g~
価格  10万円台~

Surface Pro 7 製品ページ icon

 

というわけで、今回はマイクロソフトのノートPC「Surface Pro 7」をご紹介させていただきました。少しでも皆さんのパソコン選びの参考にしていただければ幸いです。

 

 

【2020】おすすめのBTOパソコン25社を徹底比較してみた!

 

皆さんはBTOパソコンを購入する際、どんな基準でお店を選ばれていますか?パソコンは長く使うものですし値段も高価ですから、せっかくなら最大限にコストパフォーマンスを見極めたいですよね。そこで今回は、BTOパソコンのおすすめを用途などに応じて比較していきたいと思います!メーカーごとに様々な特徴がありますので、BTOパソコンを購入される際の一つの参考にしていただければ幸いです。

 

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BTOとは?

そもそもBTOって何のこと?という方のために一応説明しますと、BTOは「Build To Order」の略称で、受注生産という意味です。予算や用途に応じて自分でパソコンの構成を決められるのが大きな特徴です。もちろん、PCの知識がない方でも予算ごとに標準の構成が用意されていますので、そこからHDDの容量を増やしたり、Blu-rayドライブを付けたりと自分好みに様々なカスタマイズを行うことができます。このように、カスタマイズ性の高いPCのことを「BTOパソコン」と呼びます。

 

それでは、代表的なBTOショップとその特徴をそれぞれ見ていきましょう。

 

 

 

マウスコンピューター(mouse)

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マウスコンピューター 公式サイト

 

印象的なCMでおなじみのマウスコンピューター。BTO業界でも1、2を争うシェアと知名度を誇るショップです。用途ごとに分けられたパソコンの種類の多さは他の追随を許さないレベルで充実しています。一般向けからゲーミング、クリエイター用までおそらくここで探せばたいていの希望は満たせるでしょう。

 

価格帯を問わずエントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広い品揃えで、BTOの利点を生かしたリーズナブルな価格設定がマウスコンピューターの特徴です。加えて修理やサポートなどの対応もしっかりしているので、コストパフォーマンス的にも◎。

 

 

Frontier

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Frontier 公式サイト

 

10万円を超えるミドルクラス以上のパソコンに力を入れているショップ。大容量で日本製の電源を標準搭載しているので故障にも強く、電源の負荷がかかりやすいハイエンドのPCを検討しているなら有力な選択肢の一つとしておすすめ。

 

高性能メインということもあってデスクトップ型パソコンの充実度が高いという点も大きな特徴。近年はどのメーカーもノートパソコン中心にシフトしつつあるためデスクトップ派の人からの人気も高いお店です。特にセール時は掘り出し物が多いので、こまめにチェックしてセールを狙うのもあり。

 

 

TSUKUMO

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TSUKUMO 公式サイト

 

ヤマダ電機傘下の老舗BTOショップ。ゲームPCアワードで長きにわたって満足度1位を獲得している実力派です。初期の構成のままでもスペックと価格のバランスが良く、PCの知識に自信がない方にも安心しておすすめできます。

 

BTOショップの中でも長期保証に力を入れているので、初めてBTOを利用するので不安があるという方にもおすすめ。カスタマイズ性は少なめなので、自分好みのスペックにバリバリカスタマイズしていきたいという方には少し不向きかも。

 

 

パソコン工房 

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パソコン工房 公式サイト

 

ビジネスやクリエイターなど一般向けのPCが充実しているショップ。特にビジネス用途に関してはトップクラスの充実度を誇っています。総じてコストパフォーマンスも高く、低価格帯の製品を中心にシンプルな構成のPCが人気となっています。

 

パソコン工房の特徴として、全国に実店舗を持っているので持ち込みでの修理やサポートが可能という点が挙げられます。BTOだとどうしてもメールや配送でのやり取りが基本になってしまうので、対面でのサポートを受けたいという方にもおすすめできますよ。

 

 

ドスパラ

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ドスパラ 公式サイト

 

高いカスタマイズ性とPCパーツの幅広い品揃えを武器にユーザーからの高い支持を誇るBTOショップ。1992年創業とBTO業界の中ではかなりの老舗メーカーとなっています。ミドルクラスからハイエンドの高性能パソコンが特に充実。

 

手厚いサポートに加え、パーツの種類が豊富でカスタマイズもしやすいのでライトユーザーからコアユーザーまで幅広くおすすめできるお店です。また、出荷までにかかる時間が短く、最短で注文当日に出荷できるものもあるので急ぎの場合もこちらを利用すると良いと思います。

 

 

STORM

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STORM 公式サイト

 

結構昔からあるのにイマイチ存在感のない標準的なBTOショップ。エントリーからミドルエンドでもカスタマイズの幅が広いのが特徴。ノートPCは売ってないので、デスクトップ希望の場合のみの選択肢になりますね。

 

ある意味全体の中間に位置するようなショップなので、他店と値段を比較したりするのにも役立ちます。余談ですが、STORMのBTOブログはたまに面白いことが書いてあるのでよく覗いてます。

 

 

VSPEC  

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VSPEC 公式サイト

 

普通のハイスペックPCでは物足りないという方におすすめのBTOショップ。動画編集やサーバー用のPCで200万円を超える商品があるなど高価格帯でのラインナップが充実しているお店です。カスタマイズ性は標準。

 

性能を重視した構成が基本なので、安さを求める方やPC初心者の方には不向きですが、専門的な用途で購入を検討されている方は、ここにしかないものも多いので一度覗いてみてはいかがでしょうか。

 

 

SEVEN

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SEVEN 公式サイト

 

地味に幅広い品揃えと商品説明の丁寧さで独特の存在感を発揮しているショップ。ここのサイトを見てもらえればわかるのですが、パーツや性能に関する説明がわかりやすく記載されているので、見ているだけでPCの知識がつくありがたいお店。

 

とはいえ、全くの素人からすると情報量が多すぎて逆に混乱してしまう可能性があるので、位置づけとしてはある程度知識がある方向けという感じになるでしょうか。スペック検索などパーツごとの細かいカスタマイズもしやすいので、スペックをじっくり比較検討したい方にもおすすめ。

 

 

パソコンSHOPアーク

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パソコンSHOPアーク 公式サイト

 

一風変わったカスタマイズ性を売りにしている昔ながらの秋葉原のPCショップ。普通の人があまりこだわらないような、例えばCPUグリスなんかは他の追随を許さない謎の品ぞろえで一部のマニアにはかなり重宝されているとかいないとか。

 

アキバのお店らしくかなりコアなニーズにも対応してくれるので、そういった方は一度覗いてみると思わぬ出会いがあるかも。パーツ単体でもいろいろ買えるので、自作派の方もこちらのお店を利用してみてはいかがでしょうか。

 

 

PCワンズ

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PCワンズ 公式サイト

 

こちらも通常のBTOパソコンに加えてパーツ販売にも力を入れているお店。完全フルオーダーも可能なほどカスタマイズ性も高く、組み立てに関する細かい要望なども聞いてくれるので、人によってはほとんど思い通りのパソコンを組める数少ないショップです。

 

各種パーツや周辺機器などもかなりディープな品揃えなので、眺めているだけでも面白い発見があるかも。PC購入に際しては、把握しておくべき情報も多いのである程度知識のある方におすすめのお店。

 

 

G-TUNE

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G-Tune 公式サイト

 

マウスコンピューター系列のハイスペックゲーミングPCブランド。ある程度予算に余裕があってゲーム用のPCを探すならここかドスパラの2強かなというくらいゲーム用のラインナップが充実しています。

 

やりたいゲームごとに個別のPCが用意されていたり、ゲーム向けのノートPCも充実していたりとコアゲーマーも納得の商品構成。やはり用途に応じたカスタマイズがBTOの大きなメリットですから、そういった意味でもおすすめできるお店です。

 

 

Sycom

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Sycom 公式サイト

 

カスタマイズ性、品質ともにトップクラスの人気BTOショップ。ある程度知識がある方ならここが一番希望のパソコンを組める可能性が高いです。パーツの型番などもしっかりと明記されているので、購入前に得られる情報が多いというのも特徴。

 

一方で、値段は若干他店より高いのでコスパ重視の方にはあまり向きませんが、安さ重視の方向けにパーツだけ選んで自分で組み立てる自作キットというものも販売していて、こちらは自分で組み立てる分かなり安く購入できるようになっています。

 

 

ZEUS

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ZEUS 公式サイト

 

コア用途のクリエイター向けBTOパソコンを扱っているショップ。ハイエンドのワークステーションが中心なので一般用途にはあまり向きませんが、予算に応じてあらゆるカスタマイズが可能とのことなのでほとんどフルオーダーに近い形で購入できる点が人によっては重宝されそうなお店です。

 

コンパクトキューブモデルやシステム検証用のオープンラックモデルなど、ただでさえコアなBTO業界の中でもさらにコアな界隈を突き進んでいるところが面白いところ。世の中にはこんな形のパソコンがあるんだあという見学目的にもおすすめ。

 

 

Lenovo

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Lenovo 公式サイト

 

ノートパソコンで選ぶならレノボのオンラインストアもおすすめです。3万円台のエントリークラスから10万円程度のミドルクラスまで幅広く揃っており、軽量モデルやフルスペックなど様々な用途に対応しています。

 

カスタマイズ性は標準ですが、レノボブランドの商品なので他ショップに比べて知名度と安定性があります。PCの下取りサービスも行っているので、買い替えを検討している方は利用してみるといいかも。

 

 

DELL

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DELL 公式サイト

 

デルはアメリカの大手パソコンメーカーです。デルの特徴は、ミドルクラス以上のPCが比較的安価で購入できるという点です。特にゲーミングPCやクリエイティブ用途で考えている方は検討されると良いと思います。

 

ただ、構成が決まっているパッケージでの購入で大幅な割引があることが多いので、自分で細かくパーツをカスタマイズしたいという場合には少し割高になってしまう場合があります。サポートが海外になる場合もあり、そのあたりを割り切れる方向けにはなるかもしれません。

 

 

HP

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HP 公式サイト icon

 

PCメーカーの老舗として知られるヒューレット・パッカードです。国内メーカーと比べると全体的にシャープなデザインが特徴です。ここは法人向けをはじめとしたミドルクラスのPCが充実しているという強みがあります。

 

世界的にシェアが高い反面、欠品が多く納期が遅くなってしまう場合があり、サポートの評判もそれなり。製品の品質には問題ないので、デルと同じくそのあたりを妥協できる方であればおすすめできるショップです。

 

 

Alienware

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Alienware 公式サイト

 

ゲーマー向けPCの高級ブランドAlienwareです。2006年にDELLに買収され、その後はDELLの系列となっています。「宇宙最強PC」と銘打っているように、とにかくハイエンド向けに特化したラインナップが特徴。

 

高価格帯ながらゲーマー向けのPCとしては高い人気を誇っており、ゲームを快適な環境でプレイするというその一点のみに主眼を置いている人なら間違いなくおすすめできるブランドです。他社とは一線を画した印象的なデザインに関しても好みがわかれるところでしょうか。

 

 

アプライド

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アプライドネット 公式サイト

 

パソコン専門の量販店として国内に多くの店舗を構えるPCショップです。店舗数が多いのでサポートを受けやすいという点が特徴として挙げられますが、近年はどのショップもサポートを充実させてきていますので総合的にみると優位性が少し薄れてきているかなというのが正直な印象です。

 

ただ、大型店舗での販売、サポートは他のBTOショップにはない強みですから、現物を見てから買いたいという方や近隣に店舗がある方は有力な選択肢になるかと思います。製品としては特価品など低価格帯のパソコンが充実しています。

 

 

 

エーチャージ

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エーチャージ 公式サイト

 

株やFXのトレード向けのマルチモニターPCに特化しているお店。 2画面とかならその辺のハイエンドパソコンでもよくない?とか最初は思いましたが確かに9画面とかになってくるとセッティングも含めて依頼できるところに需要があるわけですね。

 

もはや完全に趣味の領域ですがモニタアームとかまですべてつけてくれるらしいので圧倒的多画面表示希望の方(いるのか?)は覗いてみるといいと思います。ちなみに一般の人が買うようなパソコンは置いてません。

 

 

NEC

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NEC Direct 公式サイト

 

国内電機メーカーの中でもパソコン・コンピューター分野で長い歴史を持つNEC。官公庁や教育機関などにも長年の販売実績があり、製品の信頼性からアフターサービスまで安心して任せることができます。メーカー系の選択肢の中では安定しておすすめできます。

 

細かいカスタマイズなどは専門のBTOショップにはやや劣りますが、近年は自由度の高い個人向けモデルにも力を入れてきているので、値段は若干上がってくるもののビジネスや大学の用途などで予算に余裕がある場合は有力な選択肢の一つ。

 

 

東芝

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東芝ダイレクト 公式サイト

 

メーカー系の中ではノートパソコン特化の商品展開をしているのがこちらの東芝。dynabookという製品ブランドの名前くらいは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。近年はタブレットとしても使える2in1モバイルノートを推しているところも大きな特徴です。

 

製品の長所としては、画面の見やすさ(高輝度・広視野角) で差別化を図ってきているので、液晶の品質を求める方には特におすすめ。カスタマイズ性はほとんどないですが、その代わりカタログレベルで膨大なラインナップを揃えているのでそれなりには選べるといった印象。

 

 

富士通

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富士通 WEBMART 公式サイト icon

 

NECと並ぶ老舗パソコンメーカーの富士通。メーカー系の中では昔ながらのデスクトップパソコンを個人向けで揃えているところが特徴。ただスペック重視、コスパ重視いずれの場合もどっちつかずなので積極的な選択肢には入ってきづらいところ。

 

そんな富士通のおすすめは何といっても軽量ノートパソコンです。毎年他社と競うように世界最軽量PCを出してきているので、とにかく軽いパソコンが欲しいという方は最有力候補。カスタマイズに強いBTO系はノートパソコンでも重量が重い製品が多いので、軽いというその一点においては圧倒的に強いです。頻繁に持ち運ぶ方はマストバイ。

 

 

ASUS

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ASUS 公式サイト

 

メーカー系とBTO系の中間に位置するのがこちらのASUS。ノートパソコンを中心に数万円台のエントリーモデルから高価格帯のハイエンドモデルまで幅広く揃っており、カスタマイズ性もそこそこで、近年はかなり売り上げを伸ばしてきています。

 

ASUSはデザイン面でもかなりこだわったいて洗練されてるので、見た目がかっこいいパソコンが欲しいという場合にもおすすめ。液晶の狭額ベゼルやスクリーンパットなど、新しい技術を積極的に取り入れている点も大きな特徴となっています。

 

 

Marble PC

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Marble PC 公式サイト

 

メーカー系を中心に中古PCを専門で扱っているお店。パソコンを購入する際は用途問わず基本的には新品をおすすめしますが、予算の問題でどうしても目当ての製品が購入できないという場合は中古品も選択肢の一つになります。

 

特にメーカー系のパソコンであればカタログ通りの構成で信頼性もある程度は保証されていますから、性能にこだわりがない場合、新型の製品でなくてもよい場合などは掘り出し物がある場合も多いので検討されてみてはいかがでしょうか。

 

 

JUNKWORLD

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JUNKWORLD 公式サイト

 

こちらはメーカー系に加え、BTOショップの中古品も扱っているお店です。ハイエンドのワークステーションやゲーミングPCなどの中古品もあるので、スペック重視の方もある程度見どころがあると思います。

 

ハイエンドモデルに関しても新品の価格に比べかなり安く購入できますが、その時によって在庫がまちまちなので、複数の製品をじっくり比較して購入することができないところが難点ではあります。目的の製品がドンピシャであれば間違いなくお買い得なので、気になる方はこまめにチェックしておきましょう。

 

 

 

 

BTOパソコンの利点

用途に応じたカスタマイズが可能でコスパが高い

パソコンは、人によって使い道が千差万別な製品ですから、大量生産の画一的なスペックだけではどうしても対応できない場合があります。BTOパソコンであれば、パーツ単位でPCをカスタマイズでき、過不足ない最適な構成で購入できるため、コストパフォーマンスが高くなります。

 

カスタマイズしない場合でも安い

BTOパソコンは従来のメーカー製PCに比べ、不要なソフトウェアが省いて価格を抑えているので、「カスタマイズとかよくわからない...」という場合でもカタログ通りの商品を購入するだけで十分なメリットがあります。

一昔前はそのかわりサポートがイマイチと言われることもありましたが、近年ではどのショップも大手メーカーと遜色ないレベルで充実させてきているので始めて利用する方でも安心です。

 

購入後の拡張性が高い

BTOパソコンは購入後ユーザー自身でメンテナンスが可能になっているので、後からスペックを上げたくなった場合もパーツ単位の交換が可能です。自分での作業が不安な方はもちろんショップに送ってサポートを受けることもできるようになっています。

 

 

BTOパソコンを選ぶ際のポイント

用途を明確にする

BTOの長所は細かいカスタマイズができる点ですから、自分が使いたいものに合わせてピンポイントで仕様を決めることができます。ネットサーフィンができれば十分なのか、最新のゲームや動画編集などをしたいのかなど、購入する前に、新しいパソコンをどのような用途で使いたいのかを一通りまとめておきましょう。

 

サポートや保証などのアフターサービスを比べる

どんなに品質の良いパソコンでも、長年使っているとどうしても不具合なども起こりやすくなってきます。ケースを開けて自分で対応できるという方は別ですが、専門的な知識のない方は購入店のサポートを受けるのが一番安心です。購入後どのようなサポートがあるのか、どのような保証がつけられるのかなどをあらかじめ確認しておきましょう。

 

予算を決めておく

カスタマイズ性の高さはBTOパソコンの長所ですが、その分普通のメーカー品と比べて付けられるオプションの数もケタ違いに多いです。もちろんつけるかどうかは全部自分で決められるのですが、あれもこれも欲しくなってついつい予算をオーバーしてしまいがちです。使える予算をあらかじめ決めておき、その予算内でパーツの取捨選択をするようにしておけば、BTOパソコンの特徴を生かして最大限にコストパフォーマンスを発揮できるはずです!

 

 

価格帯について

同じパソコンでも、価格帯によって特徴が大きく変わってくるところがありますので、代表的な用途ごとにそれぞれの大まかな価格の目安をご紹介します。

エントリークラス【3~7万円】

メールやサイトの閲覧など基本的な用途にしか使わないという場合はこちらの価格帯のPCがおすすめです。ビジネス用途でも利用可能ですが、Officeソフトの使用や頻繁に動画をみたいという方は5万円以上の製品にすると良いと思います。

 

ミドルクラス【8~15万円】

こちらの価格帯の製品は、一般的な利用であれば不自由なく使うことができると思います。複数のソフトウェアの併用や、処理の軽いゲームなどは十分プレイ可能です。しばらく同じPCを使い続けるつもりであればミドルクラス以上の製品がおすすめです。

 

ハイエンド【15万円~】

処理の重い最新のゲームやCGなどの画像処理、動画編集などを行う場合はハイエンドPCにされることをおすすめします。この価格帯の製品は用途に応じてスペックが設定されているものも多いので、ショップの想定する利用例などを見ながら検討されると良いでしょう。

 

 

パソコン初心者でも大丈夫?

一昔前のBTOパソコンは、詳しい人向けの製品というイメージが強かったですが、近年ではどのショップも一般向けのラインナップを強化してきていて、用途ごとにわかりやすく購入できるようになっているので、細かいことはよくわからないという方でも安心して利用できます。また、利用中に何かわからないことがある場合も、購入したショップに問い合わせればすぐに対応してもらえます。今回紹介しているようにサポートの特徴はショップごとに様々なので、気になる方は購入前に確認しておきましょう。

 

 

BTOパソコンのまとめ

・メーカー品より安く購入できる!

・自分好みにカスタマイズできる!

・故障したときの保証や購入後のサポートも充実!

 

いかがでしたか?パソコンを購入するときはできるだけしっかり選んで自分でも納得してからにしたいものですよね。最近はBTOの選択肢がどんどん増えてきていますし、製品のラインナップも充実しています。パソコン購入にあたっては、自分の目的に合った製品選びをすることが大切ですから、お店の特徴など少しでも参考にしていただければと思います。

 

【2020年版】

 

 

 

【2020】おすすめのBTOノートパソコン15社を徹底比較してみた!

 

「BTOでノートパソコンを買いたいけど、どれを選んだらいいのかよくわからない...」「何か参考にする基準が欲しい!」といった方向けに、今回はノートパソコンの選び方とおすすめのBTOノートパソコンについてご紹介したいと思います!

 

パソコンは長く使う製品ですから、できるだけ良い製品を選びたいものですよね。同じ価格帯のパソコンでもメーカーによって様々な特徴がありますから、予算や用途を比べて自分に合ったBTOショップを探してみましょう。 

 

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ノートパソコンの価格帯について

ノートパソコンは、価格によって性能が決まってくる場合が多いので、まずはじめに、自分が使いたい用途がどのようなものなのかを確認しつつ予算を決めていきましょう。

 

【4~7万円】ビジネス、ライトユース向け

こちらの価格帯のノートパソコンは、ビジネスでのオフィスソフトの使用や日常のネットサーフィンなど高いスペックを必要としない用途向けのパソコンになります。動画サイトの視聴などもよほどの高画質でなければ問題なく可能です。

 

【7~10万円】ミドルスペックでノートパソコンの基本となる価格帯

複数のアプリケーションを同時に利用したり、軽いゲームなどもプレイしたいという方はこちらのミドルクラスのノートパソコンを購入すると良いでしょう。低価格のものに比べて様々な処理も高速になりますから、ある程度の快適さが欲しいという方もこちらをおすすめ。

 

【10万円~】様々な用途に使えるハイエンドパソコン

 動画編集やオンラインゲーム、ブルーレイなどのディスクドライブを付けたいという方はこちらのハイエンドパソコンがおすすめ。薄くて軽いモデルやゲーミングPCなど色々な特徴を持ったパソコンの中から選ぶことができます。また、国産メーカー品は様々な機能を搭載していることからたいていの場合こちらの価格帯に入ることが多いです。

 

 

それでは、用途や分野に応じたおすすめのノートパソコンショップと特に一押しの製品をご紹介していきたいと思います。

 

 

マウスコンピューター

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マウスコンピューター 公式サイト

 

テレビCMでもおなじみ国内パソコンショップ大手のマウスコンピューター。エントリークラスからハイエンドまで幅広いラインナップがあり、24時間365日の電話対応を受け付けているなど、サポート面でも近年評判が高まってきているショップです。

 

SSDや光学ドライブを標準で搭載している製品が多いのが特徴。BTO系の中ではライトユーザー向けにも力を入れている一方、標準構成のカスタマイズも一通り可能なので万人におすすめできるお店です。

 

 

 

パソコン工房

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パソコン工房 公式サイト

 

パソコン工房は、特にライトユーザー向けのモデルに力を入れていて、安価でコストパフォーマンスの高い製品が多くラインナップされているショップです。無駄のないシンプルな構成のパソコンが多いので、ビジネス用途にもおすすめ。

 

ノートパソコンではSTYLEというモデルを展開しています。省電力でバッテリーの持ちも良く、最廉価のエントリークラスでもOfficeソフトの動作程度であれば十分快適に使えますし、通常のブラウジングには問題のないスペックです。コスパ重視でとにかく安くノートパソコンを手に入れたいという方にも自信を持っておすすめできる製品です。

 

 

TSUKUMO

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TSUKUMO 公式サイト

 

ヤマダ電機系列のBTOメーカーTSUKUMOです。ノートPCでは比較的安価なエントリークラスの製品が充実しています。BTO専門というだけあって最廉価グレードにもSSDを搭載しているなどこだわりを感じる部分も。

 

デザインとしてはかなりシンプルで、よく言えば用途を選ばない万人向け、悪く言えば若干無個性といったところですが、ノートパソコンはビジネス用途での利用も多いのでその辺を考慮するとコスパ面も含めて使い勝手は良いと思います。

 

 

FRONTIER

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Frontier 公式サイト

 

ミドルクラスのバラエティに富んだノートパソコンが揃っているショップです。期間限定のセールが頻繁に行われているので、定期的に覗いてみると意外な掘り出し物が見つかったりします。デザイン面では高級感のある独特の雰囲気が特徴。

 

ゲーミングノートパソコンのカスタマイズも比較的豊富に用意されているので、コアユーザーにも評価の高いお店です。用途別に細かく製品を選ぶことができるので、ある程度じっくり選んで決めたいという方にもおすすめ。

 

 

ドスパラ

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ドスパラ 公式サイト

 

パソコンショップチェーン最大手のサードウェーブが運営するショップです。こちらのお店はミドルクラス以上のパソコンのラインナップ特に充実していて、カスタマイズ性も非常に高いのでパーツの増設や拡張を行いたいという方や自分好みの構成を考えたいという方にも評価の高いショップです。

 

ノートパソコン満足度ランキングでも1位を獲得した人気製品のCriteaシリーズを始め、洗練されたデザインと旧モデルから大幅な軽量化を達成した携帯性の高さなどが幅広いユーザーに支持されています。価格とスペックのバランスも絶妙でこれだけの人気も納得の製品。

 

 

パソコンSHOPアーク

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パソコンSHOPアーク 公式サイト

 

高価格帯が充実している老舗BTOメーカー。もともとPCパーツショップだったという側面もあるので、ある程度パソコンの知識がある方向けのショップではありますがコアユーザーにとってはかなりラインナップが充実しているお店です。

 

ゲーミングやワークステーション系などの専門PCはもちろん、各種パーツや周辺機器などの品揃えも充実しているので細かいパーツ構成にこだわりがある方はぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。

 

 

G-TUNE

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G-Tune 公式サイト

 

マウスコンピューターのゲーミングPC専門ブランドG-TUNEです。ゲーム向けハイエンド製品が中心ということもあって、価格帯は10万円~から。すべてのノートパソコンにグラフィックボードが標準装備となっています。

 

ゲーム別の動作状況なども細かく確認することができるので、ノートパソコンでゲームプレイを考えている方は必要スペックの参考にしてみるのもいいと思います。ゲーミングノートの選択肢としては安定しておすすめできるショップです。

 

 

Lenovo

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Lenovo 公式サイト

 

ノートパソコンに特化した人気ブランドといえばこちらのショップ。おなじみのThinkPadをはじめ、こだわりのデザインが様々な分野や用途で利用されているノートパソコンの老舗です。品質の安定性はピカイチで、アフターサービスも充実しているというバランスの取れたお店。

 

スペックをできる限り維持しながら軽量化や薄型化も頑張っている印象なので、コンパクトがいいけど性能にもこだわりたいという方には特におすすめ。持ち運ぶ際にシーンを選ばないオシャレなデザインも〇。

 

 

DELL

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DELL 公式サイト

 

続いてアメリカの老舗パソコンメーカーDELLです。 DELLのノートパソコンは、ベゼルレス、薄型など、洗練されたデザインが特徴となっています。価格帯としてはミドルクラスの10万円台が特に充実。

 

近年は2-in-1と呼ばれるノートPCとタブレットが兼用になっている製品にも力を入れています。省スペースと高パフォーマンスを両立している点が高い人気となっているので、気になる方はそちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

NEC

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NEC Direct 公式サイト

 

国産メーカーの安定した品質と使い勝手の良さで根強い人気を誇るNECのノートパソコン。以前はメーカー品はいらないソフトがついて無駄に高いなどといわれることもありましたが、近年はユーザーが選べるようなタイプの製品を多く揃えてきていて、巻き返しを図っていることがうかがえます。

 

おすすめは軽量ノートパソコンとして名高いLAVIEシリーズ。タブレットを持ち運ぶ感覚で取り回すことの出来る人気機種です。主に外に持ち運んで使いたいという方にとってはこれ以上ない使い勝手の良さではないでしょうか。

 

 

ASUS

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ASUS 公式サイト

 

近年大きな伸びを見せている台湾のパソコンメーカー。3万円台の安価なものからヘビーユーザーも納得のハイクラスまで幅広い用途でシェアを拡大しています。価格とスペックのバランスではトップクラスのメーカーなので、全価格帯を通してトップクラスのコストパフォーマンスを誇っている点が大きな強みです。

 

スペック、軽さ、薄さ、バッテリーの持ち、とにかく全部ほしいというよくばりなあなたにおすすめなのがASUSのZenBookという製品。スペックを上げるとどうしても他の部分が犠牲になってしまいがちなのですが、このモデルは全方位から使いやすさを追求したASUSの集大成的な製品となっています。

 

 

HP(ヒューレット・パッカード)

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HP 公式サイト icon

 

コンピュータメーカーの老舗で知られるヒューレット・パッカード。オシャレなデザインと性能とのバランスの良さが売り。オフィス用3万円台のパソコンからゲーム用のハイスペックまで品ぞろえも豊富で、サポートも充実している比較的万人向けのショップです。

 

ハイエンドPCにも引けを取らないスペックで価格を抑えたPavilionシリーズをはじめとしてコスパの高さが魅力。HDDとSSDのデュアルストレージにカスタマイズも可能で、ユーザーの評価も良く満足度の高い人気製品となっています。

 

 

Alienware

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Alienware 公式サイト

 

DELL系列のゲーミングPC専門ブランド。ハイスペックの追求と、非常にデザイン性の高い外観が大きな特徴です。メカメカしいある意味奇抜ともいえるデザインも、ゲーム用途であればむしろプラス要素といってもいいでしょう。

 

最新ゲームのプレイを想定しているということもあって、ノートPCながら冷却機構にもかなり力を入れていたりと他社にはない品質へのこだわりもあるので、ゲーム向けでは特におすすめできる選択肢の一つです。

 

 

富士通

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富士通 WEBMART 公式サイト icon

 

国内メーカーの中ではNECと並んで存在感を発揮しているブランド。特に品質の面はピカイチで、外部からの圧力に耐えられる剛性や長時間使用が可能なバッテリーなど1台を長く使いたい人には自信を持っておすすめできるメーカーです。

 

頑丈な作りの富士通PCの中でも特に堅牢性を重視したタイプの製品のLIFEBOOKが特に一押し。スマート&タフというキャッチコピーの通り、持ち歩きもラクラクのサイズ感やBlu-rayドライブ搭載をはじめとした拡張性の高さが特徴です。

 

 

東芝

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東芝ダイレクト 公式サイト

 

前述の国内メーカー2社と比べて特にハイエンドクラスに注力している印象がある東芝のノートパソコン。カラーバリエーションも豊富で根強い固定ユーザーの支持を得ていますね。予算に余裕がある方はdynabookを検討してみるのも良いと思います。

 

ノートパソコン用CPUの中では最上位クラスのCPUを搭載したハイスペックモデルや、大容量ののSSDとタッチパネル付きのフルHD液晶等ハイエンドのノートPCは至れり尽くせりの充実度となっています。価格は少しお高めですが、使い勝手は抜群。

 

 

 

グレードアップするならこれ!おすすめパーツ

最近のノートパソコンは、購入時に様々なパーツを好みに合わせてカスタマイズできるようになっています。できるだけスペックを上げたいという方のために、優先的にグレードアップしておきたいPCパーツをご紹介します。

SSD

SSDはソリッドステートドライブと呼ばれ、近年ハードディスクドライブ (HDD)に代わる記憶装置として注目を集めている製品です。HDDに比べてアクセスが速いという利点があり、SSDにすることでPCの立ち上げやファイルの読み込みを高速化することができます。体感でも明らかに速くなるので、ストレスなくPCを利用できるようになること間違いなしのイチ押しパーツ。

 

グラフィックボード(GPU)

コンピュータの画像処理に利用されるパーツです。最近ではノートパソコンに搭載できるような小型のグラフィックボードが多数出てきているので、選択肢も幅広くなってきました。ゲームをプレイするためには必須といっても過言ではないパーツですので、ノートパソコンでゲームをやりたいという方は忘れずに搭載しておきましょう。

 

メモリ

パソコンで利用されるデータを一時的に保存しておく部品のことです。必要なメモリ容量は用途によって異なりますが、ネットサーフィン、オフィスのみの場合は4GB以上、複数のアプリケーションを日常的に利用する場合は8GB以上、ゲームや動画編集等を行う場合は16GB以上を選択しておけばよいと思います。

 

 

ノートパソコンの利点

簡単に持ち運ぶことができる

使う場所や持ち運ぶ頻度によってパソコン大きさを選ぶことができますし、近年では1kgを切る軽量のノートパソコンが多くのメーカーから発売されています。外への持ち出しはもちろん、家の中での移動も気軽に行うことができます。

 

ノートパソコン単体ですぐに使用可能

デスクトップパソコンの場合は、操作を行うためのマウスやキーボード、画面を表示させるためのディスプレイなどを別で用意する必要がありますが、ノートパソコンであればこれらの機能がすべて内蔵されているので、電源をつけてすぐに使用することができます。細かい知識がない初心者の方にも使いやすい構成になっています。

 

省スペースで収納がラク

近年のノートパソコンは薄型・軽量化が進み、場所を選ばず利用できるのはもちろん、机の引き出しやカバンの中など場所を取らないため簡単に収納することができます。充電しておけば電源なしでも使用できるため、限られたスペースでも快適に取り扱うことができます。

 

 

いかがでしたか?BTOノートパソコンと一口に言っても、製品によって様々な違いがありますから、少しでも自分に合った製品を選びたいですよね。長く使うものですから、どういったことに使いたいのかあらかじめ確認してから用途に応じた製品選びをすることが大切ですよ!

 

【2020年版】

 

 

 

【2020】読みだすと止まらない!おすすめファンタジー小説25選

ファンタジー小説は、小説という創作物の利点を最大に生かしたジャンルと言えます。休日にのんびりとページをめくれば、普段私たちが想像するような非日常の体験を与えてくれる。読書好きの方はもちろんですがそうでない方にも読みやすい作品が多く、子供から大人まで楽しめ、空いた時間に軽く読めるのも大きな魅力です。

 

今回は、そんな日本のファンタジー小説のおすすめ作品20選をご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

時給三〇〇円の死神

死神のアルバイトに採用された主人公の成長を描いた藤まるのファンタジー小説。成仏できない死者をあの世へ送るという死神の役目を通して様々な人たちとの交流を描いたヒューマンドラマ的な側面もあり、万人におすすめできる作品です。

 

「それじゃあキミを死神として採用するね」ある日、高校生の佐倉真司は同級生の花森雪希から「死神」のアルバイトに誘われる。曰く「死神」の仕事とは、成仏できずにこの世に残る「死者」の未練を晴らし、あの世へと見送ることらしい。あまりに現実離れした話に、不審を抱く佐倉。しかし、「半年間勤め上げれば、どんな願いも叶えてもらえる」という話などを聞き、疑いながらも死神のアルバイトを始めることとなり―。死者たちが抱える、切なすぎる未練、願いに涙が止まらない、感動の物語。

 

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

言わずと知れた人気作家村上春樹の冒険活劇ファンタジー。村上春樹の作品といえば少し難解なイメージもありますが、こちらの作品はかなり読みやすく著者の最高傑作に挙げる人も多いほど評価の高い作品で、初心者の方にもおすすめです。

 

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

 

 

精霊の守り人

人間と精霊の世界を描いたファンタジー作家上橋菜穂子の大ベストセラー小説。近代ファンタジーの草分け的存在としても知られ、日本のハリーポッターと称されるほど高い評価を受けている作品です。まずはこれを読んでおけば間違いないファンタジー小説の鉄板。

 

30歳の女用心棒バルサを主人公に、人の世界と精霊の世界を描いたハイファンタジー。野間児童文芸賞新人賞・産経児童出版文化賞・ニッポン放送賞・路傍の石文学賞を受賞した作品で、『闇の守り人』『夢の守り人』『神の守り人(来訪編)』『神の守り人(帰還編)』と続く「守り人」シリーズの第1弾。

100年に一度卵を産む精霊〈水の守り手ニュンガ・ロ・イム〉に卵を産みつけられ、〈精霊の守り人〉としての運命を背負わされた新ヨゴ皇国の第二王子チャグム。母妃からチャグムを託された女用心棒バルサは、チャグムに憑いたモノを疎ましく思う父王と、チャグムの身体の中にある卵を食らおうと狙う幻獣ラルンガ、ふたつの死の手から彼を守って逃げることになるのだが・・・

 

 

ブレイブ・ストーリー

日本小説界のヒットメーカー宮部みゆきの長編ファンタジー小説。ファンタジーの中でも王道の設定ですが、本作の特徴は奥行きを持たせた世界観と秀逸な人物の心理描写にあります。素直になれない大人のための本格ファンタジーをご堪能あれ。

 

おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話がふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることのできる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強くたくましくなってゆく。

 

 

空色勾玉

日本神話をモチーフにした荻原規子の純和風ファンタジー小説。大昔の自然あふれる世界が舞台となっているので、現代のコンクリートジャングルに疲れた方に是非おすすめ。古典文学とファンタジーを見事に融合させた完成度の高い作品です。

 

国家統一を計る輝の大御神とそれに抵抗する闇の一族との戦いが繰り広げられている古代日本の「豊葦原」。ある日突然自分が闇の一族の巫女「水の乙女」であることを告げられた村娘の狭也は、あこがれの輝の宮へ救いを求める。しかしそこで出会ったのは、閉じ込められて夢を見ていた輝の大御神の末子、稚羽矢。「水の乙女」と「風の若子」稚羽矢の出会いで変わる豊葦原の運命は。

 

 

君の名は。

映画が空前の大ヒットを記録した「君の名は。」新海誠監督の原作小説。人気の作品なのでご存じの方も多いと思いますが、小説版も非常に良くまとまっていておすすめです。映画未見の方はもちろん作品ファンの方も読んでみると新しい発見があるかも。

 

山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一報、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくが――。出会うことのない二人の出逢いから、運命の歯車が動き出す。

 

光の帝国

不思議な力を持った人々と主人公の出会いを描いた恩田陸の短編連作集。一話一話が短編になっているので、短い時間でも読みやすい作品。お話に惹きこまれ、ノスタルジックな気持ちに浸れる良質なファンタジー小説です。

 

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。

 

 

夜市

主人公の少年少女が不思議な夜市に迷い込む恒川光太郎のホラーファンタジー小説。ホラー系のレーベルからの出版となっていますが恐怖を煽るような描写は少なく、かなりファンタジー寄りなので苦手な方も安心。夕方の田舎道の薄暗い雰囲気が好きな方なんかにはうってつけ。

 

妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。

 

 

天山の巫女ソニン

落ちこぼれで地上に落とされた主人公の巫女が下界で様々な人と出会い成長していく菅野雪虫の代表作。良い意味でストーリーが単純でわかりやすく、大人から子供まで人を選ばず読みやすい作品となっています。あっさりめの本が読みたい方には特におすすめ。

 

長年の修行のかいなく、才能を見限られ天山から里へ帰された、落ちこぼれの巫女ソニン。ある日ソニンは、沙維の王子イウォルが落とした守り袋を拾う。口のきけないイウォルに袋を手渡した瞬間、ソニンはイウォルの“声”を聞いてしまい―。不思議な力をそなえた少女をめぐる、機知と勇気の王宮ファンタジー!

 

 

時をかける少女

1967年の発売以降何度も映像化され、タイムリープ物の代表作とも言われる筒井康隆のロングセラー作品。その面白さは折り紙付きです。実は表題作以外にも2編の作品が収録されているので、時かけファンの方はこの機会に読んでみてはいかがでしょう。

 

放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている―そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時をこえる。

 

 

はてしない物語

ファンタジー作家として世界的に有名なミヒャエル・エンデの代表作。海外ファンタジー小説と言えばまずこちらの本をおすすめします。児童文学作家としても活躍する作者独特の繊細で印象深い描写が読者を惹きこむ傑作です。

 

バスチアンはあかがね色の本を読んでいた-ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない。その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年-ぼくのことだ! 叫んだとたんバスチアンは本の中にすいこまれ、この国の滅亡と再生を体験する。

 

 

隣のずこずこ

著者のデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞を受賞した柿村将彦の作品。ゆるーい雰囲気から物語が急転していく構成の巧みさが非常に光る作品で、現代ファンタジーの中ではかなりの傑作と言ってもいい作品ではないでしょうか。

 

「あいつ」が現れてから私たちの平凡な日常は一変した、はずだった――。中学3年生のはじめが住む矢喜原町 に突如、伝説の「あいつ」と謎の美女・あかりさんがやって来た。なんでも1カ月後に「あいつ」は町を破壊し尽くし、町民はみな丸呑みにされるという。え、マジすか? はじめたちは計画阻止のため、ゆるゆると奔走するのだが……。全選考委員興奮&絶賛の新時代のファンタジー小説!

 

 

十二国記

日本で1、2を争う人気ファンタジー作家小野不由美の代表作。ファンタジー世界に絡めて、主人公の成長に主眼が置かれている作品。平凡な学生生活が一転して突然違う世界に連れていかれるというスピード感で読者をぐいぐい惹きこむ傑作小説。

 

「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。

 

 

オーバーロード

主人公が圧倒的な力を獲得して異世界の王を目指す丸山くがねのダークファンタジー。昨今人気の異世界モノの中でも、話の設定や展開など一般小説と比べても遜色のない秀作です。ゲームが好きな人なら間違いなくハマれるおすすめ作品。

 

その日、一大ブームを起こしたオンラインゲーム、“ユグドラシル"は静かにサービス終了を迎えるはずだった。―しかし、終了時間をすぎてもログアウトしないゲーム。意思を持ち始めたノンプレイヤーキャラクター。なにやらギルドごと、異世界に飛ばされてしまったらしい…。現実世界ではゲーム好きの孤独でさえない青年が、骸骨の見た目を持つ、最強の大魔法使い“モモンガ"となる。彼が率いるギルド『アインズ・ウール・ゴウン』の伝説が、いま始まる!

 

 

シャングリ・ラ

地球温暖化を食い止めるために東京を超巨大な建造物に移動させるという荒唐無稽な題材が話題を呼んだ池上永一の代表作。SFとファンタジーが半々くらいの小説なので、どちらのファンも楽しめる小説だと思います。

 

加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。しかし、そこに生まれたのは理想郷ではなかった!CO2を削減するために、世界は炭素経済へ移行。炭素を吸収削減することで利益を生み出すようになった。一方で、森林化により東京は難民が続出。政府に対する不満が噴き出していた。少年院から戻った反政府ゲリラの総統・北条國子は、格差社会の打破のために立ち上がった。

 

 

新世界より

1000年後の荒廃した日本で超能力を手に入れた子供たちを描く貴志祐介のディストピア小説。今回紹介している作品の中でも特に重厚な世界観で描かれていて、文明が後退した監視社会の日本という異色の設定が高く評価されている意欲作です。

 

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。 

 

 

獣の奏者

様々な種族が共生する世界で主人公エリンの成長を描いた上橋菜穂子の長編ファンタジー小説。異世界の景色がありありと浮かんでくるような卓越した情景描写が読者を圧倒する傑作です。子どもから大人まで幅広い世代におすすめできる作品。

 

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。

 

 

霧のむこうのふしぎな町

夏休みに訪れた不思議な街での体験を鮮やかに描いた柏葉幸子の名作ファンタジー小説。全編を通して明るい雰囲気で、不安になるような出来事も少ないので身構えずに安心して読めるタイプの作品。癒しを求めている方にはピッタリかもしれません。

 

心躍る夏休み。6年生のリナは、たった一人で旅に出た。不思議な霧が晴れた後、きれいだけどどこか風変わりな町が現れた。めちゃくちゃ通りに住んでいる、妙ちきりんな人々との交流が、みずみずしく描かれる。『千と千尋の神隠し』に影響を与えた、ファンタジー永遠の名作!

 

 

後宮に星は宿る

女装した少年が後宮での生活を送るという一風変わったテーマが話題を呼んだ篠原悠希のファンタジー小説。中国の架空の王朝が舞台ですが、丁寧な描写で話に入っていきやすいのも好印象。落ち着いた雰囲気でゆったりと読める良作です。

 

大陸の強国、金椛国。名門・星家の御曹司・遊圭は、一人呆然と立ち尽くしていた。皇帝崩御に伴い、一族全ての殉死が決定。からくも逃げ延びた遊圭だが、追われる身に。窮地を救ってくれたのは、かつて助けた平民の少女・明々。一息ついた矢先、彼女の後宮への出仕が決まる。再びの絶望に、明々は言った。「あんたも、一緒に来るといいのよ」かくして少年・遊圭は女装し後宮へ。頼みは知恵と仲間だけ。傑作中華風ファンタジー!

 

 

裏世界ピクニック

ちょっとしたきっかけで異世界に入り込んでしまった女子学生2人の冒険を描いた宮澤伊織の人気作。ほんわかした雰囲気の中で時折顔を出す緊張感が良いスパイスになっていて読者を飽きさせません。異世界モノ好きなら間違いなく楽しめますよ。

 

仁科鳥子と出逢ったのは“裏側”で“あれ”を目にして死にかけていたときだった―その日を境にくたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など、実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を捜すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる―気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

 

 

RDGレッドデータガール

神社の娘巫女が様々な事件に立ち向かう荻原規子の現代ファンタジー小説。あくまで等身大のスケールで、自然な形でファンタジーを取り入れたバランスの良い作品。キャラクター達も魅力的で感情移入しやすくページをめくる手が止まりません。

 

世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山にある玉倉神社。そこに住む泉水子は中学三年まで、麓の中学と家の往復だけの生活を送ってきた。しかし、高校進学は、幼なじみの深行とともに東京の鳳城学園へ入学するよう周囲に決められてしまう。互いに反発する二人だったが、修学旅行先の東京で、姫神と呼ばれる謎の存在が現れ、さらに恐ろしい事件が襲いかかる。一族には大きな秘密が―。

 

 

裏庭

子どもの繊細な心の内面を描いた梨木香歩のファンタジー小説。大人への成長過程での様々な悩みや葛藤の答えを見つける自分自身の旅。読めば誰しもが共感できること間違いなし。それほど人の心を揺さぶる力のこもった作品です。

 

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた―教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。

 

 

神様の御用人

何の能力も持たない平凡なフリーターの主人公が突然神様の御用人に指名され、様々な人々と関わっていく浅葉なつの代表作。登場人物たちの掛け合いが小気味良いリズムで繰り出され、とても読みやすいです。軽めの作品が読みたい人にもおすすめですよ。

 

神様たちの御用を聞いて回る人間―“御用人”。ある日突然、狐神からその役目を命じられたフリーターの良彦は、古事記やら民話やらに登場する神々に振り回されることになり…!?特殊能力もない、不思議な力を放つ道具も持ってない、ごく普通の“人間”が、秘めたる願いを持った神様たちにできること。それは果たして、助っ人なのかパシリなのか。モフモフの狐神・黄金とともに、良彦の神様クエストが今幕を開ける!

 

 

出雲のあやかしホテルに就職します

神様たちが泊まりに来るというホテルに就職した主人公の悪戦苦闘を描いた硝子町玻璃のファンタジー小説。日常系ファンタジーとでも言うのでしょうか、とても爽やかで優しい雰囲気の作品です。まさに読みやすくて面白い欠点のない一冊。

 

幼い頃から「幽霊」が見える特殊な力を持つ女子大生、時町見初。そんな彼女の目下の悩みは、自身の就職活動だった。面接は連戦連敗。中々決まらない就職先に、お先は真っ暗だった。しかしそんな時、大学のキャリアセンターが、ある求人票を彼女に紹介する。それは幽霊が出るとの噂が絶えない出雲のお化けホテルの求人票で―。「妖怪」や「神様」たちが泊まりにくる出雲のホテルを舞台にした、笑って泣けるあやかしドラマ!!

 

 

 

 

狐笛のかなた

人の心が聞こえる少女が霊狐の子狐と出会う上橋菜穂子の人気作。古典的な舞台に初恋を絡めたセンチメンタルな和風ファンタジー。上橋作品の中でも珍しく1冊で完結しているので、同氏の入門作としてもおすすめできる名作です。

 

小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火だった。隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年・小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる……愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。

 

 

 

いかがでしたか?ファンタジー小説は子供向けと思われがちですが、大人でも十分楽しめる、むしろ大人にこそ読んでほしい作品もたくさんあります。今回ご紹介した作品は、子どもから大人までどれも自信を持っておすすめできる作品ばかりですよ!誰もが一度は考えたことのある空想の世界にあなたも浸ってみませんか。

 

 

 

 

 

 

【2020】読みやすくて面白い!おすすめSF小説ランキング30

皆さんはSF小説をどれくらい読んだことがありますか?私はSF小説が大好きで、子どものころからよく読んでいました。でも、SF小説って普段あまり読まない人からしたら難しくてとっつきにくそうなイメージがありますよね。そこで今回は万人におすすめできる、読みやすくて面白いSF小説をランキング形式でご紹介します。

 

 

 

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【30位】 横浜駅SF

周囲のあらゆる建物を取り込み無限に拡大していく横浜駅という荒唐無稽な設定が話題を呼んだ柞刈湯葉のSF小説。どこを見渡しても横浜駅しか存在しないという笑ってしまいそうな世界観だが、内容はいたって真面目(?)なサイエンスフィクション。一般的な娯楽小説としても通用するほど読みやすい良書。

 

改築工事を繰り返す“横浜駅”が、ついに自己増殖を開始。それから数百年―JR北日本・JR福岡2社が独自技術で防衛戦を続けるものの、日本は本州の99%が横浜駅化した。脳に埋め込まれたSuikaで人間が管理されるエキナカ社会。その外側で暮らす非Suika住民のヒロトは、駅への反逆で追放された男から『18きっぷ』と、ある使命を託された。はたして、横浜駅には何があるのか。人類の未来を懸けた、横浜駅構内5日間400キロの旅がはじまる―。

 

 

【29位】 エンダーのゲーム

近未来の天才将校の成長を描いた宇宙SFの名作。物語の始まり、主人公は小学生で、将来軍の指揮官になるために様々な訓練を受けるのだが、この訓練がどれも思わず唸ってしまうような示唆的な内容ばかり。現代に生きる私たちにも役に立つ少年エンダーの成長物語。

 

地球は恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。容赦なく人々を殺戮し、地球人の呼びかけにまったく答えようとしない昆虫型異星人バガー。その第三次攻撃に備え、優秀な艦隊指揮官を育成すべく、バトル・スクールは設立された。そこで、コンピュータ・ゲームから無重力訓練エリアでの模擬戦闘まで、あらゆる訓練で最高の成績をおさめた天才少年エンダーの成長を描いた、ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞作!

 

 

【28位】 ストーカー

地球外文明が残した未知の領域「ゾーン」の探索をテーマに描いたハードボイルドSF。PCゲーム「STALKER」の原案にもなった本作は、普通の小説では味わえない一風変わった読書体験をもたらしてくれること間違いなし。SFファンに限らず広くおすすめできる作品。

 

何が起こるか予測のできない謎の領域、ゾーン。地球を訪れ、地球人と接触することなく去っていった異星の超文明の痕跡である。その研究が進められる中、ゾーンに不法侵入し、異星文明が残した物品を命がけで持ちだす者たち“ストーカー"が現われた。その一人のレドリックが案内するゾーンの実体とは? 異星文明が来訪したその目的とは? ロシアSFの巨星が迫力ある筆致で描く、ファースト・コンタクト・テーマの傑作

 

 

【27位】 裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル

最近流行りの「異世界モノ」の波がいよいよSF界にも押し寄せてきた。主人公も現代の若い女性が2人と非常にライトな設定の小説となっている。とはいえSFとしての側面もしっかり残しており、SF入門作としてもおすすめの冒険活劇。

 

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で〝あれ"を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

 

 

【26位】 ヒトラーの描いた薔薇

1話30ページ程度で読める海外SF作家の名作短編集。物語のプロットそれぞれにセンスが感じられるキレのある筆致は短編ながらかなり読み応えのある内容。単話で完結なので、空き時間にさっと読めるのも魅力の一つ。

 

無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。切り裂きジャックやカリギュラら希代の殺人者たちが脱走を始めた時、ただ一人アドルフ・ヒトラーは……表題作「ヒトラーが描いた薔薇」をはじめ、地下に広がる神話的迷宮世界を描いた傑作「クロウトウン」ほか、初期作品から本邦初訳のローカス賞受賞作「睡眠時の夢の効用」まで、アメリカSF界のレジェンドが華麗な技巧を駆使して放つ全13篇を収録した日本オリジナル短篇集。

 

 

【25位】 ヤキトリ

デビュー作「幼女戦記」で一躍有名となったカルロ・ゼンの本格SF小説。侵略された地球で異星人と戦うという王道の設定とあって、これから初めてSF小説を読むという方にもおすすめしやすい作品。今後のメディアミックスにも期待が集まるところ。

 

地球人類が国籍の区別なく全員、商連と呼ばれる異星の民の隷属階級に落とされた未来世界。閉塞した日本社会から抜け出すため、アキラは募兵官の調理師の誘いで商連の惑星軌道歩兵―通称ヤキトリに志願する。米国人、北欧人、英国人、中国人の4人との実験ユニットK‐321に配属されたアキラが直面したのは、作戦遂行時の死亡率が平均70%というヤキトリの現実だった。ウェブ小説の異才による、戦争SF新シリーズ開始!

 

 

【24位】 オービタル・クラウド

日本の著名なSF賞3冠を達成した国産SF小説の傑作。まず舞台が現代日本なので、世界観や背景など序盤の導入で作品に入り込みやすい上に、作中の出来事に関する科学的な根拠や裏付けなどもわかりやすく解説しているため、読むだけで科学の知恵もつくという非常に便利な作品。

 

2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト“メテオ・ニュース”を運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの2段目“サフィール3”が、大気圏内に落下することなく、逆に高度を上げていることに気づく。シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニア沼田明利の協力を得て、“サフィール3”のデータを解析する和海は、世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれて―

 

 

【23位】 青い星まで飛んでいけ

近未来の人類を描いた小川一水のSF短編集。この作品は全編を通して暗い雰囲気がなく爽やかに読める作風なのが大きな特徴で、SFでは無機質になりがちな人間模様なども細かく描かれているため、青春小説としてもおすすめできる一作。

 

彗星都市での生活に閉塞感を抱く少女と、緩衝林を守る不思議な少年の交流を描く「都市彗星のサエ」から、
“祈りの力で育つ”という触れ込みで流行した謎の植物をめぐる、彼と彼女のひと冬の物語「グラスハートが割れないように」、
人類から“未知の探求”という使命を与えられたAI宇宙船エクスの遙かな旅路を追う表題作まで、
様々な時代における未知なるものとの出逢いを綴った全6篇を収録

 

 

【22位】 エクソダス症候群

火星の精神病院という異色な舞台設定の長編SF小説。宇宙モノは探検や戦争というテーマが多い中で地球から移住してきた精神科医が主人公という意欲作となっている。直近のSF小説の中ではかなりレベルが高くおすすめの作品。

 

その病院は、火星の丘の斜面に、カバラの“生命の樹"を模した配置で建てられていた。亡くなった父親がかつて勤務した、火星で唯一の精神病院。地球の大学を追われ、生まれ故郷へ帰ってきた青年医師カズキは、この過酷な開拓地の、薬もベッドもスタッフも不足した病院へ着任する。そして彼の帰郷と同時に、隠されていた不穏な歯車が動きはじめた。25年前に、この場所で何があったのか――。気鋭の初長編が待望の文庫化。

 

 

【21位】 Metro2033

核戦争で荒廃した地球を舞台に、地下に移住した人々による抗争と主人公の成長を描いた冒険活劇。エンターテイメント小説としても非常に評価の高い本作は、ハードなSFファンからハリウッド映画ファンまで幅広く楽しめる良書となっている。

 

それは、華麗なデザインの駅が列なる、もう一つのモスクワ。しかし、2033年、その美しさの面影はない。核戦争で汚染された地上を逃れ、人々が生活の場所としたのがメトロの駅だった。主人公・アルチョムは自分が暮らす駅を救うため、モンスターや襲撃者が潜む、暗く、長いトンネルを旅する。その行く手に待ち受けるものは―?モスクワ生まれの作家が紡ぐ、驚きの近未来小説。

 

 

【20位】 あなたのための物語

作者の長谷敏司氏はライトノベルレーベルの角川スニーカー大賞でデビューという経歴からもわかる通り、著名なSF作家の中でも非常に読みやすい文体と構成が光る作家だ。そんな読み手にもやさしい文章で、ハードSFの世界を存分に楽しむことができる。

 

近未来や人工知能、人間の意識、人格などに代表されるあらゆる王道的SF要素を詰め込んだ野心作となっており、近年のサイエンスフィクションを見事に体現している作品だ。

 

「2000年代のSFの世界を体感したい!」これは、そんなあなたのための物語。

 

西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、
ITPテキストで記述される仮想人格《wanna be》に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。
そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。
彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。いっぽう《wanna be》は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが……。

 

 

【19位】 この空のまもり

近未来の日本を舞台に、電脳世界や拡張現実など私たちに馴染みのあるSF的エッセンスを加えて、現実世界の電子化による潜在的な問題を描いた作品。主人公がニートという異色の人物設定も目立つ意欲作だ。

 

作者の芝村裕吏氏は「ガンパレード・マーチ」のシナリオで高い評価を受け、ゲームやコミックの原作も過去に多数担当しておりサブカルチャー、ネット文化への造詣も深い。そんな作者の知識や見識がこの作品にも発揮されており、近未来の世界観により一層の深みを与えている。

 

強化現実技術により、世界中のあらゆる場所と人に電子タグをはりつけられる時代。強化現実眼鏡を通して見た日本は、近隣諸外国民の政治的落書きで満ちていた。現実政府の対応に不満を持つネット民は架空政府を設立、ニートの田中翼は架空防衛軍10万人を指揮する架空防衛大臣となった。就職を迫る幼なじみの七海を気にしつつも遂に迎えた清掃作戦は、リアル世界をも揺るがして…理性的愛国を実践する電脳国防青春SF。

 

 

【18位】 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 

海外作家のSF作品は、どんな名作であっても一般的に見ればはっきり言って読みにくいことが多い。ただでさえ分かりにくい造語や専門用語を日本語に翻訳しなければならないため仕方のないことなのだが、この作品に限って言えばそんな心配は無用だ。荒廃した地球でアンドロイドと人間の世界を描いたこの作品は原著の発表が1968年ということが信じられないほどの先見性を持った作品であり、50年近くたった今でも全く陳腐化していないどころか、さらに現実味を増してすらいる。

 

従来の伝統的なSFに文学的な表現が加えられており、物語として非常に読みやすい。昔のSF作品にありがちな抽象的な概念の説明などは最小限に抑えられており、読み手を意識した丁寧な描写が読者を惹きつける傑作だ。

 

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

 

 

【17位】 マルドゥック・スクランブル

「天地明察」「光圀伝」などの歴史小説でも知られる小説家、冲方丁氏の出世作ともなったこの作品。科学技術の発展によって生み出された暗黒の未来と主人公の少女バロットとの戦いが描かれるサイバーパンクものだ。

 

冲方氏の作品に共通して言えることだが、作品のテーマとして主人公の成長や葛藤が描かれており物語に躍動感がある。感情の脈動に溢れた作品だ。

 

ちなみに、あまり知られていないがこの方もスニーカー大賞でデビューしている。

 

なぜ私なの?

賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。
瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。
法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。
この緊急法令により蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。
それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。

代表作の完全改稿版、始動!

 

 

【16位】 きまぐれロボット

短編SFでは無敵の強さを誇る言わずと知れた有名作家星新一のショートショート。作品ごとのクオリティのばらつきが非常に少ないので、現在出版されているものであればどの作品でも問題ない。SFの入門作としてこれほど最適な作家はいないだろう。

 

一般書でありながら子供でも読める明快さと奥深さを兼ね備えた星新一のブラックユーモアを是非ご堪能あれ。

 

博士の不思議な発明、発見が様々な騒動を巻き起こす。傑作ショートショートおなかが減れば、料理をつくり、退屈すれば話し相手になる。なんでもできるロボットを連れて、離れ島にバカンスに出かけたお金持ちのエヌ氏。だがロボットは次第におかしな行動をとりはじめ……

 

 

【15位】 know

それは、世界が変わる4日間の始まりだった――

 

人工知能やビッグデータなど、タイムリーな題材を多数詰め込んだ作者独自の世界観が高い評価を受けた、第34回日本SF大賞ノミネート作品。

 

最近デビューした作家ということもあり、最新の情報工学分野をテーマとして扱いつつも物語としてうまくまとまっている。特に、拡張現実が人類にもたらした驚愕の結末は必見。

 

超情報化対策として、人造の脳葉“電子葉”の移植が義務化された2081年の日本・京都。情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。その“啓示”に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。それは、世界が変わる4日間の始まりだった―

 

 

【14位】 All You Need Is Kill

2014年にトムクルーズ主演のハリウッド映画が製作され一躍有名となった桜坂洋氏のライトノベル作品。2004年の発売当時はライトノベルとしては異色の内容が話題を呼んだ。まさかいきなりハリウッドに行くとは。

 

ライトノベルでの発売ながら本作の重厚な世界観は当時のSF界でも評価されており、星雲賞候補作にも挙げられていた。ミリタリーSFの世界に時間のループといった要素を組み合わせており、死生観や人生における挫折など、普遍的な要素をテーマとしている。SFマイスターから中高生まで幅広く楽しめる作品。

 

「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。

 

 

【13位】 ハーモニー

並外れた文章力、構成力でデビュー直後から激賞を浴び、SF界に大きなムーブメントを巻き起こした稀代のSF作家、伊藤計劃氏のオリジナル長編作品。第30回日本SF大賞を受賞。

 

テクノロジーの進歩によって形成されたユートピアの欺瞞と限界を痛烈に指摘し、何をもって幸福とするのか、人間の意識とは何なのかを問いかけるメッセージ性の強い作品となっている。作者の類い稀なる才覚によって、緻密で繊細な世界観が平易な文章によって描かれている、日本SF界の可能性を示した一作。作家デビューしてからわずか2年ほどでの早逝が本当に惜しまれる。

 

21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、 人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。 医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、 見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア"。 そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―― それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、 ただひとり死んだはすの少女の影を見る―― 『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。

 

 

【12位】 銀河英雄伝説

 シリーズ累計1500万部を突破した田中芳樹氏によるスペースオペラ作品。銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟の戦いが描かれる。本作は、SF的な舞台設定を利用した歴史小説ともいえる体裁をとっており、政治、経済、宗教など様々な側面からとらえた群像劇となっている点が特筆すべき点として挙げられる。他の作品と比べてキャッチーな内容で理論よりも雰囲気のSFなので普段あまり本を読まない人にもおすすめの1冊。

 

アニメ化やコミカライズなど、他の様々な媒体でも展開されているのであわせて読むのもおすすめ。

 

銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩、星雲賞受賞作。

 

 

【11位】 時をかける少女

言わずと知れたSF界の巨匠、筒井康隆氏のジュブナイルSF作品。本作は1980年以降4回も映画化されており、洗練されたストーリー構成と万人に広く受け入れられた内容がうかがえる。1965年の発表から驚異的なロングセラーを記録し、今なお色あせない名作として多くの人に読まれている。

 

ジュブナイルSFと謳っているように、タイムリープものながら読みやすさはピカイチ。それでいて、甘酸っぱい青春時代が思い起こされる。他のSF作品にはない魅力を持った味わい深い作品。

 

放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている―そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時をこえる。

 

 

 

 

 

 

【10位】 新世界より

人気作を次々と世に送り出し、映画化やドラマ化など数々のヒットを飛ばしてきた貴志祐介氏の長編作品。第29回日本SF大賞受賞作。

 

この作品は、宇宙にも行かないし電脳世界も出てこない。このジャンルでは非常に珍しい純和風のSF作品だ。科学文明は退廃し、呪力という超能力を身に着けた人々が暮らす1000年後の日本が舞台。ページをめくれば、そこにはあなたの知らない新世界が広がっているはずだ。

 

ここは病的に美しい日本(ユートピア)。
子どもたちは思考の自由を奪われ、家畜のように管理されていた。

手を触れず、意のままにものを動かせる夢のような力。その力があまりにも強力だったため、人間はある枷を嵌められた。社会を統べる装置として。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

 

 

【9位】 たったひとつの冴えたやりかた

16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型のスペースクーペで、主人公のコーティーは星空へと飛び立った。でもそこには思いもよらないエイリアンが待ち受けていて.......

 

文学作品としても高い評価を受けており、文体の読みやすさも相まって海外SF小説の入門としても非常におすすめの作品。表題作以外に中編が2作収録されていて、こちらも表題作に負けず劣らずの良作。

 

主人公コーティーの考えたたったひとつの冴えたやりかたとは?

 

やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して〈失われた植民地〉探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。元気少女の愛と勇気と友情をえがいて読者をさわやかな感動にいざなう表題作ほか、星のきらめく大宇宙にくり広げられる壮大なドラマ全3篇を結集!

 

 

【8位】 スカイ・クロラ

独特の世界観と多彩なジャンルで多くの読者を獲得している森博嗣氏の長編作品。本作はSFとファンタジーの中間に位置するような作品。戦闘機パイロットである「僕」とその仲間たちの苦悩と憂鬱が描かれる。

 

スカイ・クロラシリーズの特筆すべき点として、作品の「空気」を感じられることが挙げられる。同氏の卓越した筆致によって、まるで空を飛んでいるような、作中の世界を浮遊しているような感覚を味わえること請け合いだ。

 

僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。

 

 

【7位】 敵は海賊

SF作品においては異色のコメディタッチで描かれる神林長平氏の代表作、敵は海賊シリーズ。宇宙をまたにかける海賊と、それを追いかける警察たちのドタバタワールド。そこには暗くて重苦しい陰鬱な世界観などどこにも見当たらない。気軽に読めて面白い娯楽作品としても評価の高い一冊だ。

 

作中のキャラクターたちの掛け合いが秀逸で、テンポよく進んでいくので細かいことは気にせず思いっきり楽しむべき作品だろう。

 

ロングピース社が開発した著述支援用人工知能CAWシステムが出力する、悪名高き宇宙海賊・〓(とう)冥の物語―火星の赤い砂漠の町サベイジのバー“軍神”で、〓(とう)冥はフィラール星の女官長シャルファフィンと名乗る女の訪問を受け、火星で行方不明になったという王女の捜索を依頼されるが…王女捜索に乗り出す〓(とう)冥、それを追う宇宙海賊課のお荷物刑事ラテルとアプロがくりひろげる、記念すべきシリーズ第1長篇の新装版登場。

 

 

【6位】 My Humanity

長谷敏司氏の作家活動10年間の集大成的作品として位置づけられた5篇からなる短編集。表題作の「My Humanity」はもちろん、他の作品も総じて完成度が高く、最新のSF作品としても高い評価を受けた。2014年の日本SF大賞受賞作。

 

短編集でありながら、それぞれの作品がそれぞれのテーマを扱っており、文体の雰囲気も相まって大きな余韻が残る作品となっている。ページ数自体はそれほど多くないので気軽に読める点も〇。

 

擬似神経制御言語ITPによる経験伝達と個人の文化的背景との相克を描く「地には豊穣」、ITPによる小児性愛者の矯正がグロテスクな結末を導く「allo,toi,toi」――長篇『あなたのための物語』と同設定の2篇にくわえ、軌道ステーションで起きたテロの顛末にして長篇『BEATLESS』のスピンオフ「Hollow Vision」、自己増殖ナノマシン禍に対峙する研究者を描いた書き下ろし「父たちの時間」の全4篇を収録した著者初の作品集

 

 

【5位】 バナナ剥きには最適の日々

多くの日本のSF作家の中でも特に難解な作風で知られる芥川賞作家円城塔氏の短編集。円城氏の作品は確かに読みにくいものが多い、ただ、それでも売れるのはやはり徹底した理論構成を用いる唯一無二の作風からだろう。

 

でも難しくて眠くなっちゃったら意味がないので、そんな同氏の作品の中でも比較的平易に円城ワールドを体験できるのがこの作品。読みにくそうと敬遠していた方はこれを機会に芥川賞SF作家のエッセンスを味わってみては?

 

どこまで行っても、宇宙にはなにもなかった―空っぽの宇宙空間でただよい続け、いまだ出会うことのないバナナ型宇宙人を夢想し続ける無人探査機を描く表題作、淡々と受け継がれる記憶のなかで生まれ、滅びゆく時計の街を描いた「エデン逆行」など全10篇。円城作品はどうして「わからないけどおもしろい」のか、その理由が少しわかるかもしれない作品集、ついに文庫化。

 

 

【4位】 藤子・F・不二雄大全集 SF短編

SFといえばやはり外せないのが藤子・F・不二雄作品。特に未来を描いたSF作品の発想が非常に優れており、ドラえもんのイメージからは想像できないようなブラックユーモアあふれる短編を数多く発表している。

 

コミカルな絵柄とは裏腹に内容もどちらかといえば大人向けのものが多く、子どもよりも親御さんに是非読んでもらいたい作品。小説ではないがどうしても紹介したかったので特別にランキング入り。

 

藤子・F・不二雄もう一つのライフワークSF短編の決定版!

児童誌を基盤に活躍していた藤子・F・不二雄が1969年に初めて青年向け漫画誌『ビッグコミック』に発表した「ミノタウロスの皿」。その記念碑的名作を筆頭に、「劇画オバQ」、「ノスタル爺」、「やすらぎの館」など、ビッグコミック連載作品の前半17作を発表順に収録

 

 

【3位】 南極点のピアピア動画

表題からわかる通り、某動画投稿サイトを全体の軸として、そう遠くない未来に実現するであろう様々な科学技術を絡めた意欲作。もちろん、ただの意欲作にはとどまらないハイレベルな作品に仕上がっている。

 

ニコニコ動画と初音ミクでハードSFを書けるSF作家が一体どこにいるだろう。今ある最先端の技術やサービスを題材にしたSF作品というのは本当に貴重な存在だ。

 

もちろん私たちにとって身近な内容であるから非常に読みやすく、面白い。そんな本格ハードSFが今まであっただろうか。筋金入りのSFファンも、だまされたと思って読んでみれば必ず楽しめる。そんな作品だ。

 

日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される―ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集。

 

 

【2位】 虐殺器官

先ほど紹介した伊藤計劃氏のデビュー作。この作品は良質のSFであると同時に最高のエンターテイメントでもある。同氏の作品の神髄は、作品としての純粋な面白さにあると私は思う。1作目であるから粗が全くないといえば嘘になるが、そんな些事などどうでもよくなるほど緻密で洗練された本格SF作品だ。このレベルのものは日本人作家ではほとんど見ることができないと思う。デビュー作で既にそのレベルに達していたのだから驚きというほかない。

 

映画化もされ、売れている作品であるからこそ未読であれば是非読んで何かを感じて欲しい。ゼロ年代の日本のSFは伊藤計劃なしでは語れないはずだ。

 

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。

 

 

 

 

【1位】 旅のラゴス

筒井先生再び。生涯をかけて旅をするラゴスと、それに関わる人々を描いた連作長編。ページ数は232ページと短めだが中だるみや無駄な表現などは一切なく、読み始めればたちまち作品の世界に惹きこまれてゆくだろう。

 

多作で知られる筒井作品の中でもトップクラスの読みやすさ、面白さで何より物語への没入感が非常に高い。読み進めていくほどに読者をワクワクさせてくれる作品だ。

 

さあ、あなたもラゴスと一緒に人生の旅へ出かけよう。

 

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

 

 

いかがでしたか?なんか半分くらいSF作家の紹介みたいになっちゃいましたが。今回のランキングは普段SFを読まない人向けにということで、作品としての読みやすさも重視して選定しました。ハイぺリオンとかニューロマンサーとか語りたい作品は他にもあったのですがまたの機会に。

 

あと、個人的には1位から30位までそんなに差はないんですが、ランキング形式の方がわかりやすくて良いかなと思い、僭越ながら順位をつけさせて頂きました。面白い作品ばかりですので、少しでも皆さんの小説選びの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 


【2020】おすすめのBTOデスクトップパソコン15社を徹底比較してみた!

 

モバイル端末の普及によって最近影が薄くなってきているデスクトップパソコンですが、自宅で据え置きで使う場合や動画編集や画像処理、最新のゲームなど高い性能を必要とする場面ではやはりデスクトップを使いたいですよね。

 

ただ、パソコンは長く使える分だけどうしても高価な買い物になりますから、コストパフォーマンスを見極めることも大切です。高額なパソコンであれば同じ性能でもお店の違いで数万円の差が出ることもあります。そこで今回は、おすすめのデスクトップパソコンメーカー15社を徹底比較してみます!ぜひ皆さんのパソコン選びの参考にしていただければ幸いです。

 

 

おすすめのBTOショップ

BTO系のデスクトップパソコンは、パーツ一つ一つまで自分で指定できるという高い拡張性が特徴です。ユーザー個別の用途に合わせたPCを用意することができるので、その分安く購入でき、必然的にコストパフォーマンスも高くなります。最近はメーカー製と変わらないレベルでサポートが充実してきているところも嬉しいポイント。

 

ドスパラ

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ドスパラ 公式サイト

 

BTO系を代表するショップの一つがこちらのドスパラです。BTOパソコンではトップクラスのシェアを誇っており、ネット専売が基本のBTO系の中全国に多数の実店舗を構える安心感も人気の要因でしょう。サポートも充実しており、当日出荷も可能という納期の速さも助かりますね。ゲーマーの方は同社のゲームングPCブランド「ガレリア」もおすすめです。

 

 

Frontier

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Frontier 公式サイト

 

デスクトップパソコンの中でも特に高性能PCに力を入れているショップです。ゲーミングPCとクリエイター向けPCではかなり充実した品ぞろえを誇っているので、とにかくスペックにこだわりたいという方にはおすすめ。カスタマイズ性も高く、オーダーメイドPCを代表するようなショップと言えるでしょう。

 

 

マウスコンピューター

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マウスコンピューター 公式サイト

 

近年急速に業績を拡大している人気パソコンショップです。マウスコンピューターの特徴は、BTO系の中では群を抜いて手厚いサポート体制が挙げられます。特に24時間電話サポートはかなりのインパクトがありますね。困ったことがあればいつでもどこでもサポートを受けられるという独自のシステムが好評の秘訣となっています。

 

 

TSUKUMO

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TSUKUMO 公式サイト

 

国内店舗数No.1のヤマダ電機グループ傘下のBTOショップです。エントリーモデルからハイエンドPCまでバランスの取れた品ぞろえが特徴です。カスタマイズ性はかなり高いので、パーツ構成にこだわりたいという方には特におすすめです。期間限定のセールが頻繁に行われているので、軽く覗いてみるだけでも思わぬ掘り出し物があるかも。

 

 

パソコン工房

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パソコン工房 公式サイト

 

価格の安さでかなりの存在感を放つ人気ショップです。エントリークラスの製品が安いというのはある意味当然なのですが、ここはゲーミングPCなどミドルクラス以上のPCでもリーズナブルな製品が揃っているので、コスパ重視の方におすすめのショップとなっています。こちらも全国の実店舗でサポートが受けられるようになっています。

 

 

Sycom

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Sycom 公式サイト

 

Sycomは、品質面で高い評価を受けているBTOショップです。パーツ間の相性など、細部までこだわり抜かれた構成が特徴。個人的にここは、負荷をかけても全く音のしない高品質な静音PCがおすすめです。そういったコアなニーズにこたえてくれるのも嬉しいところですね。自作ユーザーも納得のカスタマイズ性も大きな強み。

 

 

VSPEC

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VSPEC 公式サイト

 

こちらはミドルクラス以上のカスタマイズ性の高さが人気のショップとなっています。パーツの選択肢が他社に比べかなり豊富なので、細部までこだわった製品を購入することができます。また、ゲーム、デイトレードやマイニングなどコンセプトが決められた製品が多く揃っているので、BTOの強みを生かしたニッチな用途を求める方には特におすすめできるお店です。

 

 

ストーム

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STORM 公式サイト

 

知る人ぞ知るBTOの老舗メーカーです。こちらのサイトはパーツごとの価格差がわかりやすい構成になっているので、PCパーツの相場を比較する場合にも便利なショップです。良くも悪くも玄人向けといった感じではありますが、パソコンジャンキーな方はぜひ一度覗いてみてほしいお店ですね。

 

 

SEVEN

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SEVEN 公式サイト

 

カスタマイズ性の高さと価格面のバランスが良いショップです。こちらもそこそこ知識がある方向けにはなりますが、コアな製品でコストパフォーマンスを重視される方には特におすすめです。PCパーツの中でも特にケースの種類が豊富にそろっているので、デザイン面を重視される方にとっても有力な選択肢の一つです。

 

 

 

メーカー系

メーカー系のデスクトップパソコンはPCの構成などがわかりやすく、初心者の方のパソコン選びには最適です。アプリケーションの使い方なども丁寧にサポートされているので安心。製品自体の信頼性も高く、故障した場合の保証なども充実しています。カスタマイズ性はBTO専門のショップには劣りますが、近年はパーツを個別に変更できる製品も増えて来ています。

 

NEC

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NEC Direct 公式サイト

 

NECは、パソコン業界においても長い歴史を持つ老舗のPCメーカーです。企業向けにも多数の販売実績を誇っていて、製品の信頼性はピカイチです。過去にはデザイン面で難があるといわれていた時期もありましたが、最近では個人向けのオシャレなデザインの製品も増え、デスクトップPCメーカーの中でも安定した選択肢の一つと言えます。

 

 

富士通

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富士通 WEBMART 公式サイト icon

 

NECと並ぶ国内PCメーカーの老舗です。富士通はメーカー系PCの中でも特に高性能PCに力を入れており、高いスペックが要求されることの多いデスクトップPCにおいても高いシェアを誇っています。メーカー系の安定感とカスタマイズ性を両立した製品が特長で、クリエイティブ用途のパソコンであれば自信をもっておすすめできます。

 

 

東芝

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東芝ダイレクト 公式サイト

 

東芝は、国内メーカーの中でも特にオールインワンデスクトップに力を入れています。オールインワンデスクトップとは、PC本体とモニターが一体となっている製品のことで、省スペースと高性能を両立させているところが大きな特徴です。デザインに優れた製品も多く、テレビやゲームとしての利用を検討されている方にもおすすめです。

 

 

HP(ヒューレット ・ パッカード)

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HP 公式サイト icon

 

ヒューレット・パッカードは、PC業界で世界シェアNo.1を誇るアメリカの老舗企業です。海外メーカーならではの洗練されたデザインと高いコストパフォーマンスが特徴で、標準的なエントリーモデルからハイスペックゲーミングPCまで万人におすすめできる製品が揃っています。とにかく安く購入したい!という方にはアウトレット品もおすすめです。

 

 

DELL

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DELL 公式サイト

 

HPと並んで世界的に高いシェアを誇るPCメーカーです。ゲーミングPCのALIENWAREなど、特定用途向けの製品が強く、コアユーザーからも高い支持を得ています。サポートは国内企業に比べるとそこそこなので、その辺をあまり重視しない方には特におすすめできるメーカーとなっています。

 

 

Lenovo

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Lenovo 公式サイト

 

レノボはできるだけ安価でハイスペックPCを購入したいという方に特におすすめのメーカーです。最新のCPUやグラフィックボードを使った高価格帯のPCが充実しているので、ビジネス用からプライベート用まで少し性能の高いパソコンを買いたいという方は一度覗いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

デスクトップパソコンの価格帯について

【10万円以下】一般的な用途のエントリークラス

ビジネス用途や動画視聴、簡単なゲームなど、比較的処理の軽い利用を想定した価格帯となります。エントリークラスとはいっても、ノートパソコンとは違いこの価格帯でもある程度の性能は備えていますから、ライトユーザーでそこまでのこだわりが無ければ10万円程度のPCでOKだと思います。

 

【10~20万円】ゲームや動画編集などもある程度やりたい方向けのミドルクラス

デスクトップPCの購入を検討されている方は、ある程度動作の重い環境での利用を想定される方も多いと思いますので、そういった方はこちらの価格帯を選ぶと良いと思います。ハイスペックなゲームでも画質を調整すればほとんどのゲームは快適にプレイ可能ですし、性能面で困るということはそれほどないでしょう。

 

【20万円以上】最高画質でのゲームプレイや4K動画編集向けのハイエンド

最新のゲームを最高の画質でプレイしたいという方や、フルHDから4Kでの動画編集を検討されている方はこちらのハイエンドPCがおすすめ。大容量のSSDを詰みたいという方やブルーレイレコーダーを入れたいという方もこの辺の価格帯になってくると思います。基本的にはどういった利用でも対応可能なハイスペックPCです。

 

 

PCのパーツについて

CPU

パソコンの基本的な動作を担当するパーツです。基本的には値段が高いほど性能が上がり、アプリケーションの処理などが高速になります。パソコンの動作を快適にしたい場合はCPUを高性能なものにするとよいでしょう。

 

グラフィックボード(GPU)

グラフィックボードやビデオカードなどと呼ばれるパソコンの画像処理を担当するパーツです。主にゲームや画像処理などに利用されるので、画像系の処理が必要な方はこちらのパーツを搭載したPCを購入するようにしましょう。

 

HDDとSSD

パソコンの記憶装置で、ファイルやデータを保存するのに使います。HDDとSSDの違いとしては、簡単に言うと読み書きの速度の違いです。SSDの方が読み書きが速いので、HDDからSSDにすると体感ではっきりとわかるレベルで動作が高速化します。その分SSDの方が価格が高くなっているので、予算と相談して決めると良いと思います。

 

 

デスクトップパソコンの利点

カスタマイズ性が高い

近年ではハイスペックのノートパソコンも多く出始めていますが、やはりどうしてもサイズや電源などの制約があるため、CPUやメモリなどのカスタマイズ性ではデスクトップ型の方が優れています。特にゲーミングPCやクリエイティブ用途のPCではその差が顕著に表れてきます。

 

価格が抑えられる

全く同じ性能のPCで考えた場合、ノートパソコンに比べてデスクトップパソコンの方が価格が安くなります。ノートパソコンの場合、パーツや本体の小型化にコストがかかってしまいますから、同じスペックでは比較的安く購入できるという点もデスクトップの利点といえます。

 

拡張性が高い

デスクトップパソコンには、USB端子をはじめとした外部端子が多く備え付けられているため、外部のハードウェア(キーボード、マウス、プリンター、ディスプレイなど)を複数接続することができ、拡張性に優れています。

また、デスクトップでは市販のディスプレイを利用するため、複数の作業を並行して行う場合や動画配信サービスで映画を観る場合など、大きな画面で快適に利用することができます。

 

 

ゲームをするならデスクトップパソコンがおすすめ

パソコンのゲームは高い性能を要求される場合が多いので、特にこだわりがなければデスクトップパソコンを購入することをおすすめします。同じ性能で比べた場合デスクトップの方が安価に購入できますし、静音や水冷などさまざまなオプションを選ぶこともできます。また、高画質なディスプレイの大きな画面でプレイできるのもデスクトップの魅力と言えます。

 

 

メーカー系とBTO系どっちがいい?

昔であればメーカー系はサポートが充実、BTO系はカスタマイズ性やコスパが高いというイメージだったのですが、近年はメーカー系でも自由にカスタマイズできるモデルが用意されていたり、逆にBTO系はサポートを充実させてきていたりと両者の違いは薄まりつつあります。

なので、どこで購入するかは自分の好みや決めてもOKだと思います。あとはもちろん用途や予算に応じて複数のショップを比較してみるというのも大事ですね。

 

 

いかがでしたか?一言でパソコンと言っても、お店によって様々な特徴を持った製品があります。デスクトップPCは長い期間利用しますし値段も高額ですから、自分の用途に合った製品選びを心掛けたいですよね。少しでも皆さんのパソコン購入の際の参考になれば幸いです。

 

【2020年版】

 

 

 

【2020】誰が読んでも間違いなく面白いおすすめ小説ランキング

 

読書好きの私が今まで読んだ本の中で、読みやすさ・面白さ・読後感など様々な観点から総合的に見て「この本はぜひ多くの人に読んでほしい!」と思った小説をジャンル問わず紹介したいと思います。

 

 

あくまで私の個人的な評価ではありますが、この中からあなたのお気に入りの本がきっと見つかるはずですよ!また、今回取り上げる本は文庫版で発売されている作品がほとんどなので気軽に買って読んでもらえる作品ばかりです。

 

今回、一つの目安としてS、A+、Aの3つに分けてランク付けさせてもらいましたが、小説の面白さはランキングで定量的に測れるものではないですし、あまり気にせず順不同として読んでいただいても問題ありません。皆さんの小説探しの参考にしていただければ幸いです。

 

 

面白さAランク

光るものを持った粒ぞろいの小説を中心に選定。少し風変わりな小説から賛否両論あるものまで。もちろん読んで後悔はさせませんよ。

 

 

 

夢をかなえるゾウ

過去にドラマ化もされた水野敬也のベストセラー自己啓発系小説。少し変わったゾウの神様がさまざまな願いをかなえてくれる...わけではなく、冴えない自分を変えるために様々な助言を与えてくれます。啓蒙書のエッセンスが入った堅苦しくないゾウと僕の物語。

 

「お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで」 

ダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”。 成功するために教えられたことは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかりで…。
夢をなくした“僕”と史上最悪の“師匠”が繰り広げる、「笑って」「泣けて」「ためになる」実用エンタテインメント小説。

 

 

コンビニ人間

コンビニバイトを通して人間の生き方を問いかける第155回芥川賞受賞作品。歴代の芥川賞受賞作の中でもトップクラスの読みやすさで万人におすすめできる内容です。「普通」になれない主人公のリアルな悩みに共感できる人も多いはず。

 

36歳未婚女性、古倉恵子。 大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。 これまで彼氏なし。 オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、 変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。 日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、 清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、 毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。 仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、 完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、 私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。 

 

 

かがみの孤城

不登校の主人公がリアルとファンタジーの間で苦しみながらも成長していく姿を描いた辻村深月の本屋大賞受賞作品。丁寧な心理描写とどこか温かみのある筆致が読者の心をつかむ人気作です。少し重いテーマですが、暗くなりすぎることなくスムーズに感情移入できるので万人におすすめできる作品だと思います。

 

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

 

 

R帝国

絶対的な権力を持つ党が支配する近未来の国家の行く末を描いた中村文則の話題作。現代の社会が抱える問題点を克明に描き出し、大衆の心理やメディアの煽動など様々な問題提起をしている作品でもあります。情報化社会の中で私達の国家はどこへ向かうのか、深く考えさせられます。

 

舞台は近未来の島国・R帝国。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。
だが、何かがおかしい。
国家を支配する絶対的な存在″党″と、謎の組織「L」。
やがて世界は、思わぬ方向へと暴走していく――。
世界の真実を炙り出す驚愕の物語。

『教団X』の衝撃、再び! 全体主義の恐怖を描いた傑作。

 

 

羊と鋼の森

ピアノ調律師に憧れる主人公の成長を描いた宮下奈都の代表作。温かい雰囲気と爽やかな筆致が特徴の作品です。文学としての評価も高く、読んでいて心地の良い文章とでも言うのでしょうか、そういった部分でも作者の才能が光る一作です。

 

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。

 

 

君の名は。

人気アニメーション作家、新海誠の青春小説。登場人物の距離感を描く描写が秀逸で、透き通ったような美しい世界観が魅力。癖のない爽やかな筆致が読者の心を掴む少年少女たちのストーリー。小説版も非常に完成度が高いので、映画を見た人にもそうでない人にもおすすめです。

 

山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくが―。出会うことのない二人の出逢いから、運命の歯車が動き出す。長編アニメーション『君の名は。』の、新海誠監督みずから執筆した原作小説。

 

 

 

空飛ぶ広報室

人気作家有川浩が描く航空自衛隊を舞台にした夢と成長の物語。名前の売れている作家が自衛隊にスポットを当てた小説を書くことはなかなか珍しいですが、内容もしっかり筋の通った気持ちの良い読後感の意欲作。

 

不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクターと出会い……。ダ・ヴィンチの「ブック・オブ・ザ・イヤー2012」小説部門第1位のドラマティック長篇。

 

 

しあわせの理由

オーストラリア出身のSF界の大御所グレッグ・イーガンのハードSF小説。海外のSF小説は読み慣れていないと難しい作品が多い中で、本作は400ページの中に9編を収録した短編集となっているため普段SF小説を読まない人でも気軽に名作が読める良書。

 

12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、本邦初訳三篇を含む九篇を収録する日本版オリジナル短篇集。

 

 

 

黒冷水

「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞し一躍有名となった羽田圭介のデビュー作。デビュー当時が17歳とは思えないほど切れ味とえぐみのあるブラックテイストの小説となっています。著者の才能の片鱗を見せつけた怪作。

 

兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。

 

 

帰ってきたヒトラー

現代社会にヒトラーが突然現れたらどうなる?という独創的な題材がベストセラーとなったドイツ発の風刺エンターテイメント小説。全編を通して軽快なノリと笑いが駆け抜けていくなかで、しっかりと問題提起も行われていて考えさせられます。ブラックユーモア小説がお好きな方におすすめ。

 

ヒトラーが突如、現代に甦った!周囲の人々が彼をヒトラーそっくりの芸人だと思い込んだことから勘違いが勘違いを呼び、本当のコメディンにさせられていく。その危険な笑いで本国ドイツに賛否両論を巻き起こした問題作。本国で二五〇万部を売り上げ、映画は二四〇万人動員、世界四二言語に翻訳された空前のベストセラー小説の待望の文庫化。

 

 

 

ジョーカー・ゲーム

人気ミステリー作家柳広司のスパイ小説。切れ味鋭い登場人物たちの掛け合いが癖になる短編集です。非常に読みやすいライトなテイストで書かれているため、空いた時間に気軽に読めるミステリー作品としてもおすすめの一作。

 

五感と頭脳を極限まで駆使した、 命を賭けた「ゲーム」に生き残れ――。

異能の精鋭たちによる、究極の"騙し合い!結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関"。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関"の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく......。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる、究極のスパイ・ミステリー。

 

 

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

小説というかビジネス系の本といった感じですが読んでいてとても面白かったのでご紹介。USJのハリウッドドリームザライドがどうして後ろ向きに走っているのか知りたい方は是非ご一読を。

 

ハリウッド映画のテーマパークとして2001年に大阪に誕生したユニバーサル・スタジオ・ジャパン。初年度こそ年間1100万人を集めたが、それ以降は集客が伸びず、2009年度は700万人台にまで減ってしまった。このピンチをどう乗り越えるのか?お金がないならアイデアを振り絞れ!後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション…斬新な企画を次々打ち出し、USJはV字回復していく。 

 

 

神去なあなあ日常

「舟を編む」で本屋大賞を受賞し脚光を浴びた三浦しをんが描く林業を舞台にした小説。普段私たちがなかなか知ることのない林業の仕事を作中の主人公を通して楽しく体験させてくれます。普段山とか木にはあまり興味がないという方でも絶対楽しめますよ。

 

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

 

 

 

一路

時代小説でおなじみ浅田次郎の長編作品。江戸時代の参勤交代を舞台にした作品で、突然参勤の責任者を任された19歳の主人公が紆余曲折ありながら大役に取り組みます。しかしその裏には様々な思惑があって...?

 

失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!

 

 

人生エロエロ

タイトルの通りです。みうらじゅんが週刊文春に連載中のエッセイをまとめた作品。作中にはそれほど直接的な表現はないので軽く楽しく読めますよ。これ以上多くは語りますまい。

 

初めてコンドームを買ってじっくり観察したあの日、大量のエロ本を抱えたまま交通事故に遭った恐怖、70万円ものラブドールを購入して居酒屋に同伴…。“人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた”でおなじみ、「週刊文春」の人気連載が遂に文庫化。「男ってバカねえ」と女性読者にも大好評、思わず吹き出すエロエロエッセイ80連発!

 

 

聖の青春

29歳の若さで亡くなった実在の将棋棋士の生涯を描いた作品。信念をもって生きること、やり遂げることの大切さが詰まった一作。一人の若者が必死に走り抜けた青春の記録。将棋ファンは特に必読。

 

純粋さの塊のような生き方と、ありあまる将棋への情熱―重い腎臓病を抱えながら将棋界に入門、名人を目指し最高峰のリーグ「A級」での奮闘のさなか、29年の生涯を終えた天才棋士村山聖。名人への夢に手をかけ、果たせず倒れた“怪童”の歩んだ道を、師匠森信雄七段との師弟愛、羽生善治名人らライバルたちとの友情、そして一番近くから彼を支えた家族を通して描く、哀哭のノンフィクション。第13回新潮学芸賞受賞。

 

 

蜩ノ記

人気の時代小説作家葉室麟のとある武士を描いた小説。著者の作風として、正義を貫くといったテーマ性が挙げられますが、本作も例に漏れず武士としての清廉な生き様を描いたとても面白く完成度の高い小説となっています。

 

豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり…。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説。

 

 

ノルウェイの森

新作を出すたびに賛否両論を巻き起こす人気作家村上春樹の代表作。本作もかなり評価が分かれていますが、個人的には楽しめました。村上春樹の作品は読者を楽しませるということをあまりしないのでそれを念頭に置いて純文学として読むとより納得できるかも。

 

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

 

 

星の王子さま

大人になってから本当の意味で理解できる本の代表作として挙げられるのがこちらの作品。初版から70年以上たった今でも全世界で新版が刊行され続けている驚愕の大ベストセラー。目に見えない本当に大切なものに気付かせてくれる優しくて悲しい物語。

 

ふるさとの星を出発した星の王子さまは、命令好きの王さまの星や、うぬぼれ男の星などを旅します。最後に地球にやってきて、サハラ砂漠で飛行機を修理中のパイロットに出会います。心をとらえて離さない不思議な物語。サハラ砂漠に不時着した孤独な飛行士と,「ほんとうのこと」しか知りたがらない純粋な星の王子さまとのふれあいを描いた永遠の名作。

 

 

精霊の守り人

ファンタジーSF作家上橋菜穂子の代表的長編小説。物語としての完成度も高く、作品数自体が少ない純ファンタジー小説としてはかなり貴重な作品。ファンタジー小説のランキングでは十二国記と並んで1、2を争う名作。

 

老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。

 

 

フェルマーの最終定理

聞いたことくらいはあるかもしれない数学の難問、「フェルマーの最終定理」 の証明をまでの過程を扱った小説。これだけ読むと難しそうな印象を受けるかもしれませんが、そんなことはありません。数学者たちの悪戦苦闘を一般の読者にも面白く、わかりやすく伝えてくれるノンフィクション作品。

 

17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション!

 

 

夏美のホタル

夏を舞台にした作品は多々あれど、これほどまでに情感を再現した作品が他にあるでしょうか。何度も読み返したくなるとても優しくて癒される物語。 情景描写が多彩な森沢明夫の世界を体感してみませんか?

 

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。夏空の下で過ごす毎日は、飽きることなくシャッターを切らせる。やがて、地蔵さんの哀しい過去を知った慎吾は、自らできることを探し始めるが…。心の故郷の物語。

 

 

ちょっと今から仕事やめてくる

タイムリーな話題でもあるブラック企業を扱った北川恵海の作品。タイトルを見て、少しでも惹かれた方は是非手に取ってみて下さい。働くということは自分にとって何なのか、考えるきっかけになるかも。

 

ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――
働く人ならみんな共感! スカっとできて最後は泣ける"すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー。

 

 

 

面白さA+ランク

どこを切り取っても質の高い作品ばかりのA+ランクの作品です。

 

 

 

 

 

蛇行する月

人気作家桜木紫乃の幸せを伝える物語。最後まで読んでみて、何かが残る本というのは本当の意味で名作と呼べるのでしょう。本作は、まさにその名作に当てはまるような素敵な作品です。考えさせられる、ただそれだけではなく、読者の心をほんのり温めてくれる本というのは非常に貴重な存在です。

 

東京に逃げることにしたの――。釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい生活を「幸せ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。自分にとって、幸せって?ままならぬ人生に一筋の希望を見出した女たちへの、エールに満ちた物語。

 

 

昨夜のカレー、明日のパン

本屋大賞1位の作品はかなり脚光を浴びますが、2位の作品というのは意外と知らない人も多いのではないでしょうか。 重くなりすぎずに大切な人の死と残された人たちのその後を描いた短編集。登場人物たちの程よい距離感が読者を心地よくさせてくれる秀作。

 

7年前、25歳で死んでしまった一樹。遺された嫁・テツコと今も一緒に暮らす一樹の父・ギフが、テツコの恋人・岩井さんや一樹の幼馴染みなど、周囲の人物と関わりながらゆるゆるとその死を受け入れていく感動作。本屋大賞第二位&山本周五郎賞にもノミネートされた、人気夫婦脚本家による初の小説。書き下ろし短編「ひっつき虫」収録!

 

 

対岸の彼女

女性たちの普遍的で複雑な人間関係を描いた角田光代の意欲作。女性に焦点を絞った友人、親友の関係の難しさ脆さをストレートに描き、問題提起を行います。「友達」という距離感の微妙さを再認識させられる一作。

 

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。

 

 

そして誰もいなくなった

世界的な人気ミステリー作家アガサ・クリスティーの代表的作品。ミステリー本来の良さが惜しみなく体現されており、ミステリーの名作を読むなら手放しでおすすめできる作品。最後の最後までわからないストーリーが全ての読者を惹きつけます。

 

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作! 新訳決定版!

 

 

火の粉

ドラマ版ではユースケ・サンタマリアの怪演が話題を呼んだ雫井脩介のサスペンス小説。主人公のほんの少しの心の弱さに付け込まれ、これまで必死に逃れてきた火の粉が自分に降りかかってくる様は恐怖すら覚えます。人間の脆さと恐ろしさを描く心理サスペンスの到達点。

 

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い…武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴んでいく。手に汗握る犯罪小説の最高傑作。

 

 

窓ぎわのトットちゃん

子どもと一緒に読みたい小説として真っ先に挙げられる黒柳徹子の自伝的小説。トットちゃんと先生、周りの子供たちが織り成す少し変わった日常の物語。教育とはどうあるべきかを深く考えさせられます。

 

「君は、ほんとうは、いい子なんだよ。」小林先生のこの言葉は、トットちゃんの心の中に、大いなる自信をあたえてくれました――。トモエ学園の、子どもたちの心をつかんだユニークな教育の実際と、そこに学ぶ子どもたちのすがたをえがいた感動の名作『窓ぎわのトットちゃん』を子どもたち自身におくります。

 

 

クライマーズ・ハイ

著者の横山秀夫が過去に在籍していた新聞社での経験をもとに、ジャーナリズムのあるべき姿を克明に描いた傑作。新聞記者の主人公を通して報道組織の問題点が次々と浮き彫りになります。表紙からもわかるように題材は日航機墜落事故を扱っています。

 

85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者たちの悲喜こもごも。上司と部下、親子など人間関係を鋭く描く。

北関東新聞の記者・悠木は、同僚の安西と谷川岳衝立岩に登る予定だったが、御巣鷹山の日航機墜落事故発生で約束を果たせなくなる。一方、1人で山に向かったはずの安西は、なぜか歓楽街でクモ膜下出血で倒れ、病院でも意識は戻らぬままであった。地方新聞を直撃した未曾有の大事故の中、全権デスクとなった悠木は上司と後輩記者の間で翻弄されながら、安西が何をしていたのかを知る――。 実際に事故を取材した記者時代の体験を生かし、濃密な数日間を描き切った、著者の新境地とも言うべき力作。

 

 

日本で一番悪い奴ら

過去に実際に起きた北海道警察の大規模スキャンダル「稲葉事件」 を題材にしたノンフィクション作品。当時表立ってあまり報道されなかった警察組織の闇、驚くほど倫理観が欠落している内情を描いた硬派な作品。同名の映画が公開され話題にもなりました。

 

二〇〇二年七月、北海道で現職警察官が逮捕された。階級は警部、逮捕容疑は覚醒剤使用だった。その後、覚醒剤密売と拳銃不法所持まで発覚。それは北海道警察を舞台にした日本警察史上、最大の不祥事が幕を開けた瞬間だった…。「黒い警部」は、なぜ醜い欲望に溺れたのか。あまりにもスキャンダラスな事件の真相と核心、道警の闇を暴く衝撃のノンフィクション!

 

 

坂の上の雲

NHKでドラマ化もされた司馬遼太郎の大河小説。明治時代の日本を舞台に、登っていけばやがては手が届くと思い坂の上の雲を目指していく近代日本の姿が描かれます。明治維新から日露戦争までが描かれており、冊数も多く長めの作品ながら、全編を通して完成度の高い良質な歴史小説であることは疑いありません。 是非おすすめですよ。

 

同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。司馬遼太郎の大河小説の中でも、本書は特に評価が高く、ビジネスパーソンをはじめ、多くの人々に読まれている。改革の時代にこそひも解きたい。

 

 

ジヴェルニーの食卓

4人の画家の生活を色鮮やかに描き、絵画にまつわるエピソードをまとめた短編集。まるで有名画家のアトリエにタイムスリップしてしまったかのような空気感が味わえます。原田マハの他作品、「楽園のカンヴァス」もあわせておすすめ。

 

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。

 

 

ツレがうつになりまして。

突然うつになった家族を支える筆者と夫の闘病生活を描いたコミックエッセイ。うつ病の人にどう接したらいいのかということが様々なエピソードを交えながら解説されます。今はそうでなくても、一つの知識として、心構えとしても是非読んでみてはいかがでしょうか。

 

スーパーサラリーマンだったツレがある日、突然「死にたい」とつぶやいた。会社の激務とストレスでうつ病になってしまったのだ。明るくがんばりやだったツレが、後ろ向きのがんばれない人間になった。もう元気だったツレは戻ってこないの?病気と闘う夫を愛とユーモアで支える日々を描き、大ベストセラーとなった感動の純愛コミックエッセイ。

 

 

三日間の幸福

新進気鋭の人気作家、三秋縋の出世作。もし自分の寿命が見えていたら?そしてその寿命をお金に換えることができたら?あなたは残りの時間をどう過ごすでしょうか。寿命が長いから幸福なんて誰が決めたのか、そんな疑問を投げかける切なくて綺麗な物語。

 

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。ウェブで大人気のエピソードがついに文庫化。

 

 

村上海賊の娘

外国の海賊を描いた作品は多々あれど、日本の海賊を描いた作品はなかなか見当たりません、ましてや長編ともなればなおさら。 本書は、そんな隠れた需要に真っ向から答えた和田竜の歴史小説。本屋大賞も受賞した歴史戦国絵巻。

 

時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。

 

 

アミ 小さな宇宙人

「生きている意味」を知りたいとは思いませんか? 「愛」を知りたいとは思いませんか?そんなこと簡単にわかるわけがない。そうでしょうか。読むだけで愛に包まれるような素敵な本がもしあったとしたら...?さて、どうでしょう。

 

少年ペドゥリートとアミと名乗る宇宙人との感動のコンタクト体験。宇宙をめぐる旅の中でペドゥリートは、地球がいまだ野蛮な、愛の度数の低い未開の惑星であることを教わる。世界11カ国語に訳された不朽のロング&ベストセラー待望の文庫化。

 

 

増山超能力師事務所

個性豊かな超能力者たちが遭遇する様々な出来事を描いた誉田哲也の連作集。ここのキャラクターがしっかり引き立っており、後味の良い爽やかな読後感が特徴でとても読みやすい作品。超能力という題材ながら話が飛躍しすぎることなくまとまっている点も◎。

 

日暮里駅から徒歩10分。ちょっとレトロな雑居ビルの2階にある増山超能力師事務所―。所長の増山率いる、見た目も能力も凸凹な所員たちは、浮気調査や人探しなど、依頼人の悩み解決に今日も奔走。超能力が使えても、そこは人の子。異端の苦悩や葛藤を時にユーモラスに時にビターに描く人気シリーズ第1弾。

 

 

一九八四年

SFチックな退廃的な世界観で人間の言語と思想を描いたジョージ・オーウェルの名作。SFの知識がない方にも是非おすすめしたい古典的作品でもあります。近未来に実際に起きてもおかしくないようなリアリティのあるディストピア小説。

 

“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。

 

 

社会人大学人見知り学部 卒業見込

今まで読んだ芸人さんの本の中でも飛びぬけて良かったオードリー若林の人見知りエッセイ。よくありがちなただの自分語りにとどまらず、様々な観点から自分がどうするべきかを一生懸命考えて成長していく青年の姿が描かれます。これから生きていくための力がもらえる、そんな本です。

 

若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた―。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。芸人・オードリー若林の大人気エッセイ、単行本未収録100ページ以上を追加した完全版、ついに刊行!

 

 

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

恋愛小説の中でも特に人気の高い七月隆文の代表作。時間と人間模様が交差する少し変わったジュブナイル小説。運命があるとしたら、それはきっと美しくて切ない出会いになるでしょう。プロットの秀逸さが特に光る一作。

 

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて―。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。

 

 

ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領

持続可能な開発について問題提起を行った国連のスピーチでノーベル賞の候補にもなり、自分の給料のほとんどを寄付して貧しい生活を送るウルグアイの大統領ホセ・ムヒカ氏の生涯を描いた作品。現実的な課題はともかく、この人の考え方は現代に生きる私たちに本当に大切なものとは何かを考えさせてくれます。

 

世界が抱える諸問題の根源は、我々の生き方そのものにあると説いた伝説的スピーチで、一躍時の人となった南米ウルグアイ前大統領ホセ・ムヒカ。一国の長でありながら庶民的生活を貫き、国民の目線に立ち続ける柔和で読書好きな老人の生涯は、貧困、ゲリラ活動、投獄など衝撃の過去に満ちていた―。「私が大統領を辞めたら本にしてもいいよ」―19年にわたる現地取材を基に著した歴史的ルポが満を持して遂に文庫化!

 

 

にぎやかな未来

 言わずと知れた日本SF界の重鎮筒井康隆の名作短編集。 気軽に読んで、気軽に笑える不条理で滑稽、それでいて良質なショートショートが楽しめます。筒井ワールドの入門作品としても一押し。

 

生活の全てがコマーシャルに利用され、退屈しのぎに聴くFM放送にも執拗にCMが入る。しかも、ラジオの電源を切る者を罰する法律が制定された!(「にぎやかな未来」)人間の平均寿命はとうとう120歳に。遺伝子の選別と催眠教育により生み出された10歳の天才に、仕事を奪われた43歳の男は、詩人として身を立てようとするが。(「遊民の街」)未来への警告を、著者ならではの軽妙な笑いの中に描く、傑作掌篇集。

 

 

時砂の王

タイムパラドックスを扱った小川一水のSF小説。 硬派な作品ながら、タイムトラベルという物語としては一般的な題材を扱っているため、非常に読みやすい本格SFとなっています。近未来の生命体と卑弥呼が戦うお話。なんだか読んでみたくなりませんか?

 

〈時をめぐる大いなる戦いの果てに――著者が満を持して挑む、初の時間SF〉時間線を遡行して人類の完全なる殲滅を狙う謎の存在。絶望的な撤退戦の末、男は最終防衛ラインたる3世紀の倭国に辿りつくが……

 

 

百瀬、こっちを向いて。

学生時代に読みたかった小説NO1。 少年少女の様々な恋愛模様を描いた中田永一の短編集で、甘酸っぱくてほろ苦い青春を優しく描いた作品。おそらくこんな青春が送りたかったなーと思わされてしまいますが...意外と読後感は爽やか。

 

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。
「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった……!」 
恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。

 

 

空中ブランコ

人が死なない笑える小説。気楽に読んで気分転換できる、たまにはそんな作品があってもいいと思います。 扱っている題材はなかなか深刻なものもありますが、悲壮感を感じさせず面白さに昇華している点が直木賞受賞の所以でしょうか。

 

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

 

 

国境

経営コンサルとヤクザのコンビが北朝鮮に乗り込んで裏社会を渡り歩く黒川博行の小説。非常にテンポが良く、様々な手法で次から次へと問題を解決していくハードボイルドさが魅力の作品。エンターテイメントとしても質の高い傑作。

 

「疫病神」コンビこと、建設コンサルタントの二宮と二蝶会幹部の桑原は北朝鮮に飛んだ。二宮は重機の輸出で、桑原は組の若頭がカジノ建設の投資話でそれぞれ詐欺に遭い、企んだ男を追ってのことだった。平壌に降り立ったふたりだが、そこには想像以上に厳しい現実と監視が待っていた。シリーズ最高傑作の呼び声高い超大作!

 

 

江戸の備忘録

戦国から江戸時代の印象的なエピソードや人物をまとめた磯田道史の随筆集。当時の時代背景を理解するのにも役立つトピックばかりですし、時代小説を読む際の予備知識として読んでおいても損はない作品。

 

信長、秀吉、家康はいかにして乱世を終わらせ、江戸の泰平を築いたのか?江戸時代の「役人の数」「政府の規模」「教育水準」はいかほどだったのか?気鋭の歴史家が民の上に立つ為政者=武士の内実に分け入り、今の日本の土台となった江戸時代の成り立ちを平易な語り口で解き明かす。日本史の勘どころがわかる歴史随筆集。

 

 

キアズマ

ロードレースの世界を舞台にした近藤史恵の青春小説。大学の自転車部という一風変わった題材ですが自転車競技の魅力が王道の青春ストーリーを通して伝わってきます。ロードレースファンの方には特におすすめ。

 

ふとしたきっかけでメンバー不足の自転車部に入部した正樹。たちまちロードレースの楽しさに目覚め、頭角を現す。しかし、チームの勝利を意識しはじめ、エース櫻井と衝突、中学時代の辛い記憶が蘇る。二度と誰かを傷つけるスポーツはしたくなかったのに―走る喜びに突き動かされ、祈りをペダルにこめる。自分のため、そして、助けられなかったアイツのために。感動の青春長編。

 

 

沈まぬ太陽

巨大企業日本航空の暗部を描いた人気作家山崎豊子の長編小説。事実をもとにフィクションとノンフィクションを織り交ぜる著者の手法が特に成功を収めている一作ではないかなと思います。日航のエリートコースからアフリカに飛ばされた主人公の命運やいかに。

 

広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!

 

 

カラフル

内気な少年の内面をポップでファンタジックに描いた森絵都の代表作。独特でどこかフワフワした雰囲気の中で、重いテーマを軽やかに描く著者の筆致は刊行当初から非常に高い評価を受けてベストセラーとなりました。

 

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。

 

 

ソロモンの偽証

生徒たちが行う学校内での犯人探しやそれに伴う学級内裁判の模様を描いた宮部みゆきのミステリー小説。登場人物たちの群像劇の中から、親子のかかわりや犯人探しへの葛藤など、圧倒的な表現力で描かれる長編作品。中でも心理描写、情景描写は非常に秀逸。

 

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった―。一つの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、死の真相を求める生徒達を描く、現代ミステリーの最高峰。

 

 

花まんま

主人公の少年少女が、体験する不思議な出来事を哀愁と共に描いた朱川湊人の直木賞受賞作品。子ども時代の色や匂いが鮮やかに描かれ、いつか忘れてしまった昔の感覚を思い出させてくれるどこか懐かしい連作短編集。

 

母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。それには、信じられないような理由があった…(表題作)。昭和30~40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公が体験した不思議な出来事を、ノスタルジックな空気感で情感豊かに描いた全6篇。

 

 

 

面白さSランク

小説の面白さとしてはトップクラス!誰に対しても自信をもっておすすめできる名作傑作ばかりです。

 

 

 

下町ロケット

第145回直木賞受賞作品にして稀代のヒットメーカー池井戸潤の代表作。勧善懲悪のシンプルなプロットながら著者の卓越した筆致によってとある町工場を舞台に手に汗握るストーリーが展開されます。山あり谷ありでエンターテイメント性も抜群、読後感も爽やかな大衆小説のお手本とも呼ぶべき作品。

 

研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた――。男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編!

 

 

カエルの楽園

現代の日本社会の問題点を痛烈に指摘した風刺的寓話が一躍話題を呼んだ百田尚樹氏の人気作。現代社会をカエルの世界になぞらえ、筆者の得意分野でもあるマスコミや教育についての問題提起を行った意欲作でもあります。直接的な描写は避け、登場人物をカエルに置き換えることによって賛否のある題材ながら万人向けの作品へと昇華されています。

 

最大の悲劇は、良心的な愚かさによってもたらされる。
ベストセラー作家が全力で挑んだ、衝撃の問題作。

安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、豊かで平和な国「ナパージュ」に辿り着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守って暮らしていた。だがある日、平穏な国を揺るがす大事件が起こる――。著者自らが「私の最高傑作」と断言。大衆社会の本質を衝いた、G・オーウェル以来の寓話的「警世の書」。

 

 

 

 

青の炎

長い人生思い通りにならないことはたくさんあります。そんな時あなたはどう行動するでしょうか。家族の幸せを取り戻すため17歳の主人公の苦悩を通して、普通の幸せを得ることの難しさ、儚さが描かれます。困難な題材ながら重たくなり過ぎず、クセのない読み味で読者の心を揺さぶる傑作ミステリー。

 

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。 

 

 

家族八景

他人の家庭を覗いてみたくはないですか?家政婦として様々な家庭で働く七瀬を通して、人間が本質的に抱えている闇を浮き彫りにした巨匠筒井康隆の短編集。著者の作品すべてに共通して言えることですが、非常に読みやすくしっかりまとまっているので軽く読みたい人にもおすすめ。

 

幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい短編集。

 

 

博士の愛した数式

記憶障害を持つ64歳の「博士」と主人公の「私」を通して、他社への思いやりの大切さ、愛情の尊さ、人生の素晴らしさをストレートに投げかける静かで温かい物語。読み終わった後読者を少し前向きな気持ちにさせてくれる、そんな作品です。第1回の本屋大賞受賞作品でもあります。

 

家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

 

 

十角館の殺人

新本格ミステリー小説の潮流を生み出した推理小説作家綾辻行人のデビュー作。トリックの見せ方が非常に上手く、丁寧な構成でミステリー小説の代表作とも言える作品。小説という媒体だからこそ体験できる楽しさが詰まったライトな読者にもおすすめの一作。

 

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

 

 

殺戮にいたる病

前述の新本格の流れを汲んだ一風変わったホラーミステリー。もしあなたがこの作品を全く知らないというのであれば、それは非常に幸運です。すべての前情報をシャットアウトして、今すぐ買って読みましょう。 ところどころに猟奇的な描写は出てきますが、それを差し引いてもラストの衝撃は必見。著者は「かまいたちの夜」でおなじみの我孫子武丸。

 

永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る異色のサイコホラー。衝撃の冒頭、ラストの大破局。

 

 

夜市

本作で第12回ホラー小説大賞を受賞し鮮烈なデビューを飾った恒川光太郎の和風ファンタジーホラー。シンプルな文章から独特の世界観が描かれ、「夜市」という異世界の空気感がファンタジックに表現されている。ホラーレーベルでの刊行でありながら、直接的な恐怖や心理的な不安感をあおる描写は一切なく、文学作品としても非常に完成度の高い作品。

 

妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!

 

64(ロクヨン)

未解決の幼女誘拐事件を題材に警察組織の闇、警察庁と県警の対立など錯綜する様々なストーリーが大規模に展開する横山秀夫のハードボイルドサスペンス小説。長編ではありますが全編を通して切れ味が鋭く、中だるみが全くありません。クライマックスまでノンストップで駆け抜ける著者の卓越した筆致が圧巻の一作。

 

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。

 

 

死神の精度

良質な作品を次々と世に送り出し、 今や映画化ドラマ化の常連ともなっている伊坂幸太郎の連続短編集。重いテーマでありながらコミカルなタッチで軽やかに読み進められるお話。読後感も良く、普段あまり読書をしないという方に特におすすめできる作品です。続編「死神の浮力」もあわせて是非どうぞ。

 

おまえはまだ死なない。俺がついているから――。映画化(金城武主演)もされたベストセラー『死神の精度』の「千葉」が8年ぶりに帰ってきました! しかも今回は長篇、冒頭の一部を除いてすべて書き下ろしです。7日のあいだ対象の人間を観察し、「可」か「見送り」を判定。「可」の場合8日目にその人間の最期を見届ける……。人間界でひっそりとこんな仕事をしている死神の千葉。クールでとぼけた彼のちょっとテンポのずれた会話と、誠実な仕事ぶりをたっぷりお楽しみください。

 

 

南極点のピアピア動画

ボーカロイドや動画投稿サイトの近未来を宇宙開発を絡めて描いた異色のSF小説。初音ミクやニコニコ動画が好きな人には手放しでおすすめできます。表紙やタイトルに騙されて買いましょう。 ハードSFの読者諸兄は表紙やタイトルで判断することなかれ、この作品は紛れもなく最先端のSF小説を名乗れる傑作です。短めの文量ながら読み応え抜群の連作集。

 

日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される―

 

 

マルドゥック・スクランブル

近年ではドラマやアニメの原作を数多く手がけ、一躍有名作家の仲間入りを果たした冲方丁のサイバーパンクSF小説。「天地明察」や「光圀伝」以降、歴史小説作家として脚光を浴びる同氏ですが、個人的には初期から執筆を続けているSF小説を特に推したいところです。著者がなぜ各方面で高い評価を受けているのか、その一端を垣間見ることができる第24回日本SF大賞受賞作。

 

賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル−09。この緊急法令で蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。代表作の完全改稿版、始動!

 

 

虐殺器官

新人SF作家としては桁外れの文章力・構成力で各方面から激賞を浴び、ゼロ年代SFの最高峰との呼び声高い伊藤計劃のデビュー作。日本人の作家でここまで書けるのかという衝撃とともに純粋なエンターテイメントとしての質の高さに感心した作品です。作者の早逝が本当に惜しまれます。

 

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション。

 

 

海賊とよばれた男

戦後の激動期を駆け抜けた出光興産の創業者の生き様を描いた近代歴史小説。日本という国を、一国産企業の視点から見つめ直し、日本人としてのプライド、誇りを掘り起こしてくれる作品。体一つで家族のため、社員のために命を懸けて世界と戦う姿が多くの人の心を動かした第10回本屋大賞受賞作。

 

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男の生涯。

 

 

ブレイブ・ストーリー

言わずと知れた人気作家宮部みゆきの王道ファンタジー小説。子供向けの冒険ファンタジーと思われがちですが、著者の実力が十二分に発揮された本格小説となっています。異世界を舞台にしながら、地に足の着いたストーリー構成とテンポの良い流れるような展開が読者を引き込みながら一人の子どもが繰り広げる勇気の物語。

 

おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話がふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることのできる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強くたくましくなってゆく。

 

 

天空の蜂

デビュー直後から非常に速いスピードで作品を発表し、1998年の「秘密」 で一気にブレイクするとその後も次々とヒット作を連発している人気ミステリー作家東野圭吾。この作品は、そんな同氏のブレイク前に刊行された小説です。20年前に描かれたとは思えない先見性から描かれる現実味あふれるストーリーと東野作品の中でも珍しいスケールの大きさが魅力。

 

奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき……。驚愕のクライシス、圧倒的な緊追感で魅了する傑作サスペンス。

 

 

阪急電車

阪急電車の支線という非常に身近な舞台設定で、 様々な登場人物が絡み合いいろいろな出来事を巻き起こすオムニバス形式の小説。心温まるエピソードが満載で、読後感はとても爽やか。通勤通学の電車の中でも気軽に読みやすい一作。

 

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

 

 

ツナグ

この世から消えてしまった人間に、たった一人会うことができるとしたら、あなたは誰に会いたいですか...? 死者との再会、別れを題材にした辻村深月の連作短編集。作中には明るいエピソードも暗いエピソードもありますが、透き通った雰囲気は一貫しており文章も平易でとても読みやすい。死者に会うことによって人は何を思い、どう変わるのかを読者に投げかける深いテーマ性を持った良作。

 

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

 

 

西の魔女が死んだ

中学生の少女「まい」とそのおばあちゃんを通して、様々な愛情の形と心の豊かさを描いた児童文学作家梨木香歩の小説。「美しい」という言葉が一番しっくりくるような真っ直ぐで素敵な物語です。生きる上で、子供を育てる上で、幸せになる上で何が大切なことなのかを問いかける優しいお話。

 

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

 

 

十二国記

NHKでアニメ化もされた小野不由美の冒険ファンタジー小説の第1作目。 不自由なく普通の日常を送っていた女子高生の主人公が、突然文化も価値観も違う異世界に迷い込むことになり、その後の困難に立ち向かう姿を描いた長編。秀逸な心理描写で読者を引き込むヒロイック・ファンタジー。

 

「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。

 

 

13階段

死刑制度とそれを取り巻く人間たちを主題に、人が人を裁くことの矛盾を鋭く抉った高野和明の第47回江戸川乱歩賞受賞作。死刑制度の是非を描いた作品ではありますが、どちらの立場にも傾くことなく、あくまで読者一人一人にこのことをしっかり考えてほしいという著者のスタンスは非常に好感が持てます。エンターテイメント性にも優れており、ひとたび読み始めればページをめくる手が止まらなくなる、そんな一作。

 

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

 

 

ハサミ男

大胆なトリックと非常によく練られたプロットが光る殊能将之のミステリー小説。シリアル・キラーの主人公ハサミ男の視点が真犯人を探す推理劇が描かれます。ストーリーが進めば進むほど物語の展開は混迷を極め、「なんじゃこりゃ」となったところで怒涛の急展開を迎えます。ぜひあなたのその目で確かめてみてください。

 

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

 

 

夜のピクニック

どこか気恥ずかしさを感じる青春時代のかけがえのない一瞬を真っ直ぐに、素直に書き綴った青春小説。あの時、エネルギーにあふれ様々な葛藤を抱えながらもはっきりと輝いて見えた学生時代に戻りたくなるようなノスタルジーを感じる作品。

 

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

 

 

夜は短し歩けよ乙女

幻想的な世界観とユーモアあふれる文体で登場人物たちが様々な事件を巻き起こす恋愛ファンタジーという珍しいジャンルの小説。第20回山本周五郎受賞、2007年本屋大賞第2位も獲得している。少し現実離れというか浮世離れ?したようなふわふわとした雰囲気が癖になること間違いなし。

 

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

 

 

きまぐれロボット

短編SFの名作を数多く生み出し、小松左京、筒井康隆と並んでSF御三家とも呼ばれた有名作家星新一のショートショート。子どもでも読みやすい平易な文体とシンプルなストーリーから繰り出される切れ味抜群のブラックユーモアを是非ご堪能あれ。

 

お金持ちのエヌ氏は、博士が最も優秀と自慢するロボットを買入れた。オールマイティのロボットだが、時々あばれたり逃げたりする。ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は博士に文句を言ったが……。ショート・ショートでは第一級の作者が綴る、大人と子供のための童話。表題作他35編を収録。

 

 

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

小学生のかのこちゃんと猫のマドレーヌ夫人が繰り広げるほのぼのファンタジー。小さな子どもだからこそ様々なことを素直に感じることができ、素直に伝えることができる。あたたかい人たちのあたたかいものがたり。著者は「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」で知られる万城目学。

 

かのこちゃんは小学1年生の女の子。玄三郎はかのこちゃんの家の年老いた柴犬。マドレーヌ夫人は外国語を話せるアカトラの猫。ゲリラ豪雨が襲ったある日、玄三郎の犬小屋にマドレーヌ夫人が逃げこんできて……。元気なかのこちゃんの活躍、気高いマドレーヌ夫人の冒険、この世の不思議、うれしい出会い、いつか訪れる別れ。誰もが通り過ぎた日々が、キラキラした輝きとともに蘇り、やがて静かな余韻が心の奥底に染みわたる。

 

 

銀河英雄伝説

シリーズ累計1500万部を突破した田中芳樹のスペースオペラ小説。超スケールで展開される銀河をまたにかけた群像劇ですが、物語のテンポも良く、長編にありがちな中だるみもなく非常に読みやすい。政治闘争や宗教、国家戦略など魅力あふれる要素が満載で娯楽小説として自信をもっておすすめできる作品。

 

銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩、星雲賞受賞作。

 

 

青い鳥

「ビタミンF」「流星ワゴン」などでおなじみの直木賞作家重松清の話題作。本当に大切なことしか言わない吃音の国語教師とその生徒たちのやり取りを通して大切なこととは何か、それを人に伝えるためにどうすべきかを考えさせられる一作。あなたもこの物語を読んで、何かを感じてみませんか。

 

村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒―後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。

 

 

深夜特急

会社を辞め海外へ放浪に出かけた主人公の旅の記録を描いた旅行小説。この本の最大の特徴は、読んだ者を例外なく旅への衝動に駆り立てること。その効果は絶大で、「麻薬」とまで呼ぶ人もいる。それほどまでに人の心を動かす小説、あなたも読んでみたくありませんか?

 

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く―。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや…。1年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ。

 

苦役列車

人生のどん底、社会の底辺でもがき、肉体労働の傍ら当てもなく作家を目指すという著者の実体験をもとにした私小説。社会的弱者のひねくれた生き様を描いた異色の内容が読者を惹きつける。中卒芥川賞作家の著者西村賢太の切れ味が存分に発揮された代表的作品。

 

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。

 

 

砂の女

数々の名作を世に送り出し、晩年はノーベル文学賞の候補とも目された阿部公房の代表作。砂に沈みつつある家から必死に脱出を試みる男と不条理を受け入れ男を引き留める女の対比が鮮やかで面白いです。中盤以降登場人物の価値観が変容していく様が痛快。本作は第14回読売文学賞を受賞し、海外でも非常に高い評価を受けました。 

 

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。

 

 

オリエント急行の殺人

近世の名作家アガサ・クリスティの古典的名作で推理小説の代名詞とも言われる作品。海外の小説ながら現在のミステリ小説を形作ったと言える傑作なので、興味のある方にはぜひおすすめです。読み応えも抜群で、推理をする楽しさを教えてくれる作品。

 

数日がかりでヨーロッパを走り抜ける豪華寝台列車、オリエント急行。さまざまな国の客が乗り合わせたその日の列車は、雪の中で立ち往生してしまう。しかも車内で殺人事件まで起こった。殺されたのは、金持ちのアメリカ人男性。たまたまこの列車に乗っていた名探偵エルキュール・ポアロは、事件を調査することになる。犯人は乗客の誰かにまちがいない。ところが全員にアリバイがあるのだ。はたして、ポアロの推理は…。

 

 

時計じかけのオレンジ

少年が選ぶ「悪」と、刑務所に入りそれを強制的に治療する過程を通して、人間の考える意味や善と悪の本質を投げかけた問題作。映画版が非常に有名な作品ですが、ラストの展開がやや異なっているので一度見たことがあるという方にもおすすめできますよ。

 

近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫る―スタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。幻の最終章を付加した完全版。

 

旅のラゴス

数ある筒井康隆の作品の中でも個人的に一番おすすめしたいのがこの作品。 常に旅とともにある主人公の生涯が短いページ数の中でこれでもかと描かれます。読者を別世界へと誘うラゴスと不思議な旅の物語。ひたすら手放しに面白いと称賛できる作品はなかなかありませんが、そんな作品に出合えた幸せに感謝したくなるようなお話。

 

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

 

55歳からのハローライフ

多作で知られる芥川賞作家村上龍の連作中編集。 静かに老いてゆく不安と、確実に消耗していく恐怖に苛まれつつも、定年間近の主人公たちに何かかけがえのないものを取り戻していく。著者の静かな怒りと柔らかな優しさにあてられ、読了後すぐに人生を変えたくなってしまうような不思議な衝動に駆られる作品です。

 

晴れて夫と離婚したものの、経済的困難から結婚相談所で男たちに出会う中米志津子。早期退職に応じてキャンピングカーで妻と旅する計画を拒絶される富裕太郎…。みんな溜め息をつきながら生きている。ささやかだけれども、もう一度人生をやり直したい人々の背中に寄り添う「再出発」の物語。感動を巻き起こしたベストセラー待望の文庫化。

 

ブギーポップは笑わない

本作が第4回電撃小説大賞を受賞し、その後の作家たちに絶大な影響を与えた上遠野浩平のデビュー作。ライトノベルでありながら、斬新なストーリー構成とザッピングシステムという卓越した表現技法は各方面から高い評価を受けました。一般文芸と見比べても全く遜色のない傑作です。

 

君には夢があるかい?残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、また自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。――え? ぼくかい? ぼくの名は"ブギーポップ"――。

 

 

もらい泣き

冲方丁が実話をもとに執筆した33篇のショートストーリー集。人間の尊さ、温かさを描く内容で、タイトルからわかる通り「泣き」を題材にして書かれています。普段の生活にちょっと疲れたときこの本を読んでみれば、ほんわかと優しく包み込まれるような気持ちにさせてくれるお話が揃っています。

 

一族みんなに恐れられていた厳格な祖母が亡くなった。遺品の金庫の中に入っていた意外な中身は?「金庫と花丸」。東日本大震災の後、福島空港で車がなく途方にくれる著者に「乗りますか」と声をかけてくれた人の思い出。「インドと豆腐」。視力薄弱の子供を抱えた父親。奮闘する彼を救った感動のプレゼントとは。「ぬいぐるみ」。思わず、ホロリ。

 

 

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

著者が9歳から14歳の時まで通ったプラハのソビエト学校での日常を描いた作品。境遇の異なる様々な子供たちが集まり、共産圏の学校ということもあって普通の日本人ではまず経験することのない貴重な彼女たちの思い出が綴られます。ノンフィクション作品であるということが信じられないほどドラマチックな展開も必見の一作。

 

1960年プラハ。マリ(著者)はソビエト学校で個性的な友達と先生に囲まれ刺激的な毎日を過ごしていた。30年後、東欧の激動で音信の途絶えた3人の親友を捜し当てたマリは、少女時代には知り得なかった真実に出会う!第33回(2002年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。

 

 

火車

緻密なプロットからわかりやすいストーリー展開で 多重債務問題の闇を痛烈に指摘した宮部みゆきのミステリー小説。現代の身近な題材を取り上げながら、文学作品としての質も両立したミステリー史に残る名作。読者の想像を掻き立てる描写が隅々に散りばめられており、何度も読み返したくなること請け合いです。

 

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた...。第6回山本周五郎賞受賞作品。

 

天使の囀り

天使の囀りが聞こえてくる謎の感染症の拡大という未知の恐怖を描いた貴志祐介のホラー小説。ホラー小説ながら単なる恐怖だけではなく物語の面白さがはっきりと際立っている名作。とはいえもちろんかなり怖いので、怖い話で俺をビビらせてくれ!という方にはぴったりの作品。

 

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。

 

 

バトル・ロワイアル

中学生42人が無人島で殺し合いを強いられるという衝撃的な内容が話題を呼んだ高見広春のホラー小説。なかなか悪趣味な題材ではありますが、ただの暴力描写にとどまることなくうまくエンターテイメントに昇華させており、読みやすい。大声で面白いと喧伝することは憚られる作品ではあるものの読んでおいて損はない一作。

 

西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。城岩中学三年B組の七原秋也ら四十二人は、修学旅行バスごと無人の島へと拉致され、政府主催の殺人実験を強制される。生還できるのはたった一人。そのためにはただクラスメイト全員を殺害するのみ―。現代日本を震撼させたジェットコースターデスゲーム・ノヴェル、ついに文庫化。

 

 

刑事のまなざし

10年前に娘が襲われるという事件を経験した刑事が独自の視点で様々な事件を解決していく薬丸岳の連作ミステリー小説。底知れぬ理不尽とやり場のない辛さに苦労しつつも、真っ直ぐ犯人に向き合おうとする主人公の姿が印象的な作品。

 

ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです――通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目が選んだのは刑事の道だった。虐待された子、ホームレス殺人、非行犯罪。社会の歪みで苦しむ人間たちを温かく、時に厳しく見つめながら真実を探り出す夏目。何度読んでも涙がこぼれる著者真骨頂の連作ミステリ。

 

 

死都日本

火山の噴火によって危機的な状況に陥る日本列島と、被害を食い止めるべく奔走する火山オタクの主人公を描いた石黒耀の災害小説。この小説の発表以後、多くの火山学者からも高い評価を受けていることからわかるように、著者の豊富な知識と調査に基づいた正確な内容は災害対策のバイブルにもなりうる名作です。もちろん娯楽小説としての価値も非常に高い。

 

西暦20XX年、有史以来初めての、しかし地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか? 火山学者をも震撼、熱狂させたメフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞受賞作。

 

 

ハゲタカ

ハゲタカと呼ばれる強引な手法で次々と企業を買収し、再生する主人公率いる投資ファンドの隆盛を描いた真山仁の人気シリーズの第1作目。NHKでドラマ化されて一躍有名となったこの作品。経済小説のお手本のような丁寧な描写と構成力で一気に読ませる名作。ついでに経済・金融の知識も身について一石二鳥ですね。

 

不良債権を抱え瀕死状態にある企業の株や債券を買い叩き、手中に収めた企業を再生し莫大な利益をあげる、それがバルチャー(ハゲタカ)・ビジネスだ。ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、不景気に苦しむ日本に舞い戻り、強烈な妨害や反発を受けながらも、次々と企業買収の成果を上げていった。

 

 

チーム・バチスタの栄光

刊行直後から映画化、ドラマ化が決まり、本作で華々しいデビューを飾った海堂尊の医療小説。高度な医療事件を題材として扱いながら非常に高いストーリー性で読者を引き込むメディカル・エンターテイメント作品。デビュー作ながら文章もこなれていて読みやすい。スキマ時間に軽く読むのにも最適ですよ。

 

東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞

 

 

ハーモニー

近未来の管理社会、絶望的なユートピアの限界を描いた伊藤計劃の傑作SF小説。無機質で独特の世界観と洗練された描写で高い評価を受けた第30回日本SF大賞受賞受賞作でもあります。近年のSF小説の中でも間違いなく5本の指に入ると感じました。それほどまでに著者のレベルは違う次元に到達しています。

 

21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、 人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。 医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、 見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア"。 そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―― それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、 ただひとり死んだはすの少女の影を見る―― 『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。

 

 

オレたちバブル入行組

大ヒットドラマ「半沢直樹」の原作小説であり池井戸潤の名前を日本中に知らしめた著者の出世作です。これでもかというほど勧善懲悪の基本に忠実に描かれた胸のすくような展開が読者に爽やかな読後感を与える娯楽小説の到達点とも言うべき作品。やられたらやり返す、十倍返しが最高に気持ちの良い一作。

 

大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンターテインメント小説。

 

 

Another 

オカルトとミステリの高いレベルでの融合を図った綾辻行人の新境地を開いた長編本格ホラー小説。学園ミステリというありがちな題材でありながら超常現象を絡めて独自性を打ち出していて、新鮮味がある。読みやすいのがいいけどある程度ガッツリ読みたいという欲張りなあなたにおすすめ。

 

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。

 

 

霧が晴れた時

今は亡きSF・ホラー界の重鎮小松左京の自選短編集。昔の作品が多いだけあって題材や設定に多少古臭さを感じるものの、恐怖小説としては全く陳腐化しておらず今でも十分通用する名作揃いです。同氏の入門作としても最適な一冊。

 

太平洋戦争末期、阪神間大空襲で焼け出された少年が、世話になったお屋敷で見た恐怖の真相とは…。名作中の名作「くだんのはは」をはじめ、日本恐怖小説界に今なお絶大なる影響を与えつづけているホラー短編の金字塔。

 

 

これはペンです

芥川賞SF作家円城塔の中編集。表題作は「よく読むと意味のない文章を自動で生成する装置」を生み出した叔父と姪との話。実はこの話自体がその装置で描かれたのではないかと思わせるような不思議な感覚を読者に与える秀作です。読みにくいといわれる円城作品の中でも比較的短く読みやすいのが特徴。

 

叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた―。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。

 

 

 

ワイルド・ソウル

日本政府に見捨てられ騙されアマゾンに放り出されたブラジル移民がメディアを巻き込み外務省への復讐を画策する垣根涼介渾身の快作。圧倒的なスケールと躍動感あふれるテンポの良さで読者をグイグイ引っ張っていきます。一度読みだしたら止まらない物語の「勢い」が感じられる作品です。

 

その地に着いた時から、地獄が始まった――。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは、政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す! 歴史の闇を暴く傑作小説。

 

 

いかがでしたか?明るい作品から暗い作品、軽い作品から重たい作品まで様々な小説をチョイスしていますが、どれも自信をもってお勧めできるものばかりです。皆さんが様々な作品に触れて、少しでも読書を楽しむ手助けになれば幸いです。最後に、こんなに長い記事を最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。お疲れさまでした。