そらいろ!

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【2017】読みやすくて面白い!おすすめSF小説ランキング30

私はSF小説が大好きです。子どものころから好きです。でも、SF小説って普段あまり読まない人からしたら難しくてとっつきにくそうなイメージがありますよね。そこで今回は万人におすすめできる、読みやすくて面白いSF小説をランキング形式でご紹介します。

 

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【30位】 横浜駅SF

周囲のあらゆる建物を取り込み無限に拡大していく横浜駅という荒唐無稽な設定が話題を呼んだ柞刈湯葉のSF小説。どこを見渡しても横浜駅しか存在しないという笑ってしまいそうな世界観だが、内容はいたって真面目(?)なサイエンスフィクション。一般的な娯楽小説としても通用するほど読みやすい良書。

 

改築工事を繰り返す“横浜駅”が、ついに自己増殖を開始。それから数百年―JR北日本・JR福岡2社が独自技術で防衛戦を続けるものの、日本は本州の99%が横浜駅化した。脳に埋め込まれたSuikaで人間が管理されるエキナカ社会。その外側で暮らす非Suika住民のヒロトは、駅への反逆で追放された男から『18きっぷ』と、ある使命を託された。はたして、横浜駅には何があるのか。人類の未来を懸けた、横浜駅構内5日間400キロの旅がはじまる―。

 

 

【29位】 エンダーのゲーム

近未来の天才将校の成長を描いた宇宙SFの名作。物語の始まり、主人公は小学生で、将来軍の指揮官になるために様々な訓練を受けるのだが、この訓練がどれも思わず唸ってしまうような示唆的な内容ばかり。現代に生きる私たちにも役に立つ少年エンダーの成長物語。

 

地球は恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。容赦なく人々を殺戮し、地球人の呼びかけにまったく答えようとしない昆虫型異星人バガー。その第三次攻撃に備え、優秀な艦隊指揮官を育成すべく、バトル・スクールは設立された。そこで、コンピュータ・ゲームから無重力訓練エリアでの模擬戦闘まで、あらゆる訓練で最高の成績をおさめた天才少年エンダーの成長を描いた、ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞作!

 

 

【28位】 ストーカー

地球外文明が残した未知の領域「ゾーン」の探索をテーマに描いたハードボイルドSF。PCゲーム「STALKER」の原案にもなった本作は、普通の小説では味わえない一風変わった読書体験をもたらしてくれること間違いなし。SFファンに限らず広くおすすめできる作品。

 

何が起こるか予測のできない謎の領域、ゾーン。地球を訪れ、地球人と接触することなく去っていった異星の超文明の痕跡である。その研究が進められる中、ゾーンに不法侵入し、異星文明が残した物品を命がけで持ちだす者たち“ストーカー"が現われた。その一人のレドリックが案内するゾーンの実体とは? 異星文明が来訪したその目的とは? ロシアSFの巨星が迫力ある筆致で描く、ファースト・コンタクト・テーマの傑作

 

 

【27位】 裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル

最近流行りの「異世界モノ」の波がいよいよSF界にも押し寄せてきた。主人公も現代の若い女性が2人と非常にライトな設定の小説となっている。とはいえSFとしての側面もしっかり残しており、SF入門作としてもおすすめの冒険活劇。

 

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で〝あれ"を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

 

 

【26位】 ヒトラーの描いた薔薇

1話30ページ程度で読める海外SF作家の名作短編集。物語のプロットそれぞれにセンスが感じられるキレのある筆致は短編ながらかなり読み応えのある内容。単話で完結なので、空き時間にさっと読めるのも魅力の一つ。

 

無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。切り裂きジャックやカリギュラら希代の殺人者たちが脱走を始めた時、ただ一人アドルフ・ヒトラーは……表題作「ヒトラーが描いた薔薇」をはじめ、地下に広がる神話的迷宮世界を描いた傑作「クロウトウン」ほか、初期作品から本邦初訳のローカス賞受賞作「睡眠時の夢の効用」まで、アメリカSF界のレジェンドが華麗な技巧を駆使して放つ全13篇を収録した日本オリジナル短篇集。

 

 

【25位】 ヤキトリ

デビュー作「幼女戦記」で一躍有名となったカルロ・ゼンの本格SF小説。侵略された地球で異星人と戦うという王道の設定とあって、これから初めてSF小説を読むという方にもおすすめしやすい作品。今後のメディアミックスにも期待が集まるところ。

 

地球人類が国籍の区別なく全員、商連と呼ばれる異星の民の隷属階級に落とされた未来世界。閉塞した日本社会から抜け出すため、アキラは募兵官の調理師の誘いで商連の惑星軌道歩兵―通称ヤキトリに志願する。米国人、北欧人、英国人、中国人の4人との実験ユニットK‐321に配属されたアキラが直面したのは、作戦遂行時の死亡率が平均70%というヤキトリの現実だった。ウェブ小説の異才による、戦争SF新シリーズ開始!

 

 

【24位】 オービタル・クラウド

日本の著名なSF賞3冠を達成した国産SF小説の傑作。まず舞台が現代日本なので、世界観や背景など序盤の導入で作品に入り込みやすい上に、作中の出来事に関する科学的な根拠や裏付けなどもわかりやすく解説しているため、読むだけで科学の知恵もつくという非常に便利な作品。

 

2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト“メテオ・ニュース”を運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの2段目“サフィール3”が、大気圏内に落下することなく、逆に高度を上げていることに気づく。シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニア沼田明利の協力を得て、“サフィール3”のデータを解析する和海は、世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれて―

 

 

【23位】 青い星まで飛んでいけ

近未来の人類を描いた小川一水のSF短編集。この作品は全編を通して暗い雰囲気がなく爽やかに読める作風なのが大きな特徴で、SFでは無機質になりがちな人間模様なども細かく描かれているため、青春小説としてもおすすめできる一作。

 

彗星都市での生活に閉塞感を抱く少女と、緩衝林を守る不思議な少年の交流を描く「都市彗星のサエ」から、
“祈りの力で育つ”という触れ込みで流行した謎の植物をめぐる、彼と彼女のひと冬の物語「グラスハートが割れないように」、
人類から“未知の探求”という使命を与えられたAI宇宙船エクスの遙かな旅路を追う表題作まで、
様々な時代における未知なるものとの出逢いを綴った全6篇を収録

 

 

【22位】 エクソダス症候群

火星の精神病院という異色な舞台設定の長編SF小説。宇宙モノは探検や戦争というテーマが多い中で地球から移住してきた精神科医が主人公という意欲作となっている。直近のSF小説の中ではかなりレベルが高くおすすめの作品。

 

その病院は、火星の丘の斜面に、カバラの“生命の樹"を模した配置で建てられていた。亡くなった父親がかつて勤務した、火星で唯一の精神病院。地球の大学を追われ、生まれ故郷へ帰ってきた青年医師カズキは、この過酷な開拓地の、薬もベッドもスタッフも不足した病院へ着任する。そして彼の帰郷と同時に、隠されていた不穏な歯車が動きはじめた。25年前に、この場所で何があったのか――。気鋭の初長編が待望の文庫化。

 

 

【21位】 Metro2033

核戦争で荒廃した地球を舞台に、地下に移住した人々による抗争と主人公の成長を描いた冒険活劇。エンターテイメント小説としても非常に評価の高い本作は、ハードなSFファンからハリウッド映画ファンまで幅広く楽しめる良書となっている。

 

それは、華麗なデザインの駅が列なる、もう一つのモスクワ。しかし、2033年、その美しさの面影はない。核戦争で汚染された地上を逃れ、人々が生活の場所としたのがメトロの駅だった。主人公・アルチョムは自分が暮らす駅を救うため、モンスターや襲撃者が潜む、暗く、長いトンネルを旅する。その行く手に待ち受けるものは―?モスクワ生まれの作家が紡ぐ、驚きの近未来小説。

 

 

【20位】 あなたのための物語

作者の長谷敏司氏はライトノベルレーベルの角川スニーカー大賞でデビューという経歴からもわかる通り、著名なSF作家の中でも非常に読みやすい文体と構成が光る作家だ。そんな読み手にもやさしい文章で、ハードSFの世界を存分に楽しむことができる。

 

近未来や人工知能、人間の意識、人格などに代表されるあらゆる王道的SF要素を詰め込んだ野心作となっており、近年のサイエンスフィクションを見事に体現している作品だ。

 

「2000年代のSFの世界を体感したい!」これは、そんなあなたのための物語。

 

西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、
ITPテキストで記述される仮想人格《wanna be》に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。
そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。
彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。いっぽう《wanna be》は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが……。

 

 

【19位】 この空のまもり

近未来の日本を舞台に、電脳世界や拡張現実など私たちに馴染みのあるSF的エッセンスを加えて、現実世界の電子化による潜在的な問題を描いた作品。主人公がニートという異色の人物設定も目立つ意欲作だ。

 

作者の芝村裕吏氏は「ガンパレード・マーチ」のシナリオで高い評価を受け、ゲームやコミックの原作も過去に多数担当しておりサブカルチャー、ネット文化への造詣も深い。そんな作者の知識や見識がこの作品にも発揮されており、近未来の世界観により一層の深みを与えている。

 

強化現実技術により、世界中のあらゆる場所と人に電子タグをはりつけられる時代。強化現実眼鏡を通して見た日本は、近隣諸外国民の政治的落書きで満ちていた。現実政府の対応に不満を持つネット民は架空政府を設立、ニートの田中翼は架空防衛軍10万人を指揮する架空防衛大臣となった。就職を迫る幼なじみの七海を気にしつつも遂に迎えた清掃作戦は、リアル世界をも揺るがして…理性的愛国を実践する電脳国防青春SF。

 

 

【18位】 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 

海外作家のSF作品は、どんな名作であっても一般的に見ればはっきり言って読みにくいことが多い。ただでさえ分かりにくい造語や専門用語を日本語に翻訳しなければならないため仕方のないことなのだが、この作品に限って言えばそんな心配は無用だ。荒廃した地球でアンドロイドと人間の世界を描いたこの作品は原著の発表が1968年ということが信じられないほどの先見性を持った作品であり、50年近くたった今でも全く陳腐化していないどころか、さらに現実味を増してすらいる。

 

従来の伝統的なSFに文学的な表現が加えられており、物語として非常に読みやすい。昔のSF作品にありがちな抽象的な概念の説明などは最小限に抑えられており、読み手を意識した丁寧な描写が読者を惹きつける傑作だ。

 

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

 

 

【17位】 マルドゥック・スクランブル

「天地明察」「光圀伝」などの歴史小説でも知られる小説家、冲方丁氏の出世作ともなったこの作品。科学技術の発展によって生み出された暗黒の未来と主人公の少女バロットとの戦いが描かれるサイバーパンクものだ。

 

冲方氏の作品に共通して言えることだが、作品のテーマとして主人公の成長や葛藤が描かれており物語に躍動感がある。感情の脈動に溢れた作品だ。

 

ちなみに、あまり知られていないがこの方もスニーカー大賞でデビューしている。

 

なぜ私なの?

賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。
瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。
法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。
この緊急法令により蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。
それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。

代表作の完全改稿版、始動!

 

 

【16位】 きまぐれロボット

短編SFでは無敵の強さを誇る言わずと知れた有名作家星新一のショートショート。作品ごとのクオリティのばらつきが非常に少ないので、現在出版されているものであればどの作品でも問題ない。SFの入門作としてこれほど最適な作家はいないだろう。

 

一般書でありながら子供でも読める明快さと奥深さを兼ね備えた星新一のブラックユーモアを是非ご堪能あれ。

 

博士の不思議な発明、発見が様々な騒動を巻き起こす。傑作ショートショートおなかが減れば、料理をつくり、退屈すれば話し相手になる。なんでもできるロボットを連れて、離れ島にバカンスに出かけたお金持ちのエヌ氏。だがロボットは次第におかしな行動をとりはじめ……

 

 

【15位】 know

それは、世界が変わる4日間の始まりだった――

 

人工知能やビッグデータなど、タイムリーな題材を多数詰め込んだ作者独自の世界観が高い評価を受けた、第34回日本SF大賞ノミネート作品。

 

最近デビューした作家ということもあり、最新の情報工学分野をテーマとして扱いつつも物語としてうまくまとまっている。特に、拡張現実が人類にもたらした驚愕の結末は必見。

 

超情報化対策として、人造の脳葉“電子葉”の移植が義務化された2081年の日本・京都。情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。その“啓示”に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。それは、世界が変わる4日間の始まりだった―

 

 

【14位】 All You Need Is Kill

2014年にトムクルーズ主演のハリウッド映画が製作され一躍有名となった桜坂洋氏のライトノベル作品。2004年の発売当時はライトノベルとしては異色の内容が話題を呼んだ。まさかいきなりハリウッドに行くとは。

 

ライトノベルでの発売ながら本作の重厚な世界観は当時のSF界でも評価されており、星雲賞候補作にも挙げられていた。ミリタリーSFの世界に時間のループといった要素を組み合わせており、死生観や人生における挫折など、普遍的な要素をテーマとしている。SFマイスターから中高生まで幅広く楽しめる作品。

 

「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。

 

 

【13位】 ハーモニー

並外れた文章力、構成力でデビュー直後から激賞を浴び、SF界に大きなムーブメントを巻き起こした稀代のSF作家、伊藤計劃氏のオリジナル長編作品。第30回日本SF大賞を受賞。

 

テクノロジーの進歩によって形成されたユートピアの欺瞞と限界を痛烈に指摘し、何をもって幸福とするのか、人間の意識とは何なのかを問いかけるメッセージ性の強い作品となっている。作者の類い稀なる才覚によって、緻密で繊細な世界観が平易な文章によって描かれている、日本SF界の可能性を示した一作。作家デビューしてからわずか2年ほどでの早逝が本当に惜しまれる。

 

21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、 人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。 医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、 見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア"。 そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―― それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、 ただひとり死んだはすの少女の影を見る―― 『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。

 

 

【12位】 銀河英雄伝説

 シリーズ累計1500万部を突破した田中芳樹氏によるスペースオペラ作品。銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟の戦いが描かれる。本作は、SF的な舞台設定を利用した歴史小説ともいえる体裁をとっており、政治、経済、宗教など様々な側面からとらえた群像劇となっている点が特筆すべき点として挙げられる。他の作品と比べてキャッチーな内容で理論よりも雰囲気のSFなので普段あまり本を読まない人にもおすすめの1冊。

 

アニメ化やコミカライズなど、他の様々な媒体でも展開されているのであわせて読むのもおすすめ。

 

銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩、星雲賞受賞作。

 

 

【11位】 時をかける少女

言わずと知れたSF界の巨匠、筒井康隆氏のジュブナイルSF作品。本作は1980年以降4回も映画化されており、洗練されたストーリー構成と万人に広く受け入れられた内容がうかがえる。1965年の発表から驚異的なロングセラーを記録し、今なお色あせない名作として多くの人に読まれている。

 

ジュブナイルSFと謳っているように、タイムリープものながら読みやすさはピカイチ。それでいて、甘酸っぱい青春時代が思い起こされる。他のSF作品にはない魅力を持った味わい深い作品。

 

放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている―そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時をこえる。

 

 

 

 

 

 

【10位】 新世界より

人気作を次々と世に送り出し、映画化やドラマ化など数々のヒットを飛ばしてきた貴志祐介氏の長編作品。第29回日本SF大賞受賞作。

 

この作品は、宇宙にも行かないし電脳世界も出てこない。このジャンルでは非常に珍しい純和風のSF作品だ。科学文明は退廃し、呪力という超能力を身に着けた人々が暮らす1000年後の日本が舞台。ページをめくれば、そこにはあなたの知らない新世界が広がっているはずだ。

 

ここは病的に美しい日本(ユートピア)。
子どもたちは思考の自由を奪われ、家畜のように管理されていた。

手を触れず、意のままにものを動かせる夢のような力。その力があまりにも強力だったため、人間はある枷を嵌められた。社会を統べる装置として。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

 

 

【9位】 たったひとつの冴えたやりかた

16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型のスペースクーペで、主人公のコーティーは星空へと飛び立った。でもそこには思いもよらないエイリアンが待ち受けていて.......

 

文学作品としても高い評価を受けており、文体の読みやすさも相まって海外SF小説の入門としても非常におすすめの作品。表題作以外に中編が2作収録されていて、こちらも表題作に負けず劣らずの良作。

 

主人公コーティーの考えたたったひとつの冴えたやりかたとは?

 

やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して〈失われた植民地〉探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。元気少女の愛と勇気と友情をえがいて読者をさわやかな感動にいざなう表題作ほか、星のきらめく大宇宙にくり広げられる壮大なドラマ全3篇を結集!

 

 

【8位】 スカイ・クロラ

独特の世界観と多彩なジャンルで多くの読者を獲得している森博嗣氏の長編作品。本作はSFとファンタジーの中間に位置するような作品。戦闘機パイロットである「僕」とその仲間たちの苦悩と憂鬱が描かれる。

 

スカイ・クロラシリーズの特筆すべき点として、作品の「空気」を感じられることが挙げられる。同氏の卓越した筆致によって、まるで空を飛んでいるような、作中の世界を浮遊しているような感覚を味わえること請け合いだ。

 

僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。

 

 

【7位】 敵は海賊

SF作品においては異色のコメディタッチで描かれる神林長平氏の代表作、敵は海賊シリーズ。宇宙をまたにかける海賊と、それを追いかける警察たちのドタバタワールド。そこには暗くて重苦しい陰鬱な世界観などどこにも見当たらない。気軽に読めて面白い娯楽作品としても評価の高い一冊だ。

 

作中のキャラクターたちの掛け合いが秀逸で、テンポよく進んでいくので細かいことは気にせず思いっきり楽しむべき作品だろう。

 

ロングピース社が開発した著述支援用人工知能CAWシステムが出力する、悪名高き宇宙海賊・〓(とう)冥の物語―火星の赤い砂漠の町サベイジのバー“軍神”で、〓(とう)冥はフィラール星の女官長シャルファフィンと名乗る女の訪問を受け、火星で行方不明になったという王女の捜索を依頼されるが…王女捜索に乗り出す〓(とう)冥、それを追う宇宙海賊課のお荷物刑事ラテルとアプロがくりひろげる、記念すべきシリーズ第1長篇の新装版登場。

 

 

【6位】 My Humanity

長谷敏司氏の作家活動10年間の集大成的作品として位置づけられた5篇からなる短編集。表題作の「My Humanity」はもちろん、他の作品も総じて完成度が高く、最新のSF作品としても高い評価を受けた。2014年の日本SF大賞受賞作。

 

短編集でありながら、それぞれの作品がそれぞれのテーマを扱っており、文体の雰囲気も相まって大きな余韻が残る作品となっている。ページ数自体はそれほど多くないので気軽に読める点も〇。

 

擬似神経制御言語ITPによる経験伝達と個人の文化的背景との相克を描く「地には豊穣」、ITPによる小児性愛者の矯正がグロテスクな結末を導く「allo,toi,toi」――長篇『あなたのための物語』と同設定の2篇にくわえ、軌道ステーションで起きたテロの顛末にして長篇『BEATLESS』のスピンオフ「Hollow Vision」、自己増殖ナノマシン禍に対峙する研究者を描いた書き下ろし「父たちの時間」の全4篇を収録した著者初の作品集

 

 

【5位】 バナナ剥きには最適の日々

多くの日本のSF作家の中でも特に難解な作風で知られる芥川賞作家円城塔氏の短編集。円城氏の作品は確かに読みにくいものが多い、ただ、それでも売れるのはやはり徹底した理論構成を用いる唯一無二の作風からだろう。

 

でも難しくて眠くなっちゃったら意味がないので、そんな同氏の作品の中でも比較的平易に円城ワールドを体験できるのがこの作品。読みにくそうと敬遠していた方はこれを機会に芥川賞SF作家のエッセンスを味わってみては?

 

どこまで行っても、宇宙にはなにもなかった―空っぽの宇宙空間でただよい続け、いまだ出会うことのないバナナ型宇宙人を夢想し続ける無人探査機を描く表題作、淡々と受け継がれる記憶のなかで生まれ、滅びゆく時計の街を描いた「エデン逆行」など全10篇。円城作品はどうして「わからないけどおもしろい」のか、その理由が少しわかるかもしれない作品集、ついに文庫化。

 

 

【4位】 藤子・F・不二雄大全集 SF短編

SFといえばやはり外せないのが藤子・F・不二雄作品。特に未来を描いたSF作品の発想が非常に優れており、ドラえもんのイメージからは想像できないようなブラックユーモアあふれる短編を数多く発表している。

 

コミカルな絵柄とは裏腹に内容もどちらかといえば大人向けのものが多く、子どもよりも親御さんに是非読んでもらいたい作品。小説ではないがどうしても紹介したかったので特別にランキング入り。

 

藤子・F・不二雄もう一つのライフワークSF短編の決定版!

児童誌を基盤に活躍していた藤子・F・不二雄が1969年に初めて青年向け漫画誌『ビッグコミック』に発表した「ミノタウロスの皿」。その記念碑的名作を筆頭に、「劇画オバQ」、「ノスタル爺」、「やすらぎの館」など、ビッグコミック連載作品の前半17作を発表順に収録

 

 

【3位】 南極点のピアピア動画

表題からわかる通り、某動画投稿サイトを全体の軸として、そう遠くない未来に実現するであろう様々な科学技術を絡めた意欲作。もちろん、ただの意欲作にはとどまらないハイレベルな作品に仕上がっている。

 

ニコニコ動画と初音ミクでハードSFを書けるSF作家が一体どこにいるだろう。今ある最先端の技術やサービスを題材にしたSF作品というのは本当に貴重な存在だ。

 

もちろん私たちにとって身近な内容であるから非常に読みやすく、面白い。そんな本格ハードSFが今まであっただろうか。筋金入りのSFファンも、だまされたと思って読んでみれば必ず楽しめる。そんな作品だ。

 

日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される―ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集。

 

 

【2位】 虐殺器官

先ほど紹介した伊藤計劃氏のデビュー作。この作品は良質のSFであると同時に最高のエンターテイメントでもある。同氏の作品の神髄は、作品としての純粋な面白さにあると私は思う。1作目であるから粗が全くないといえば嘘になるが、そんな些事などどうでもよくなるほど緻密で洗練された本格SF作品だ。このレベルのものは日本人作家ではほとんど見ることができないと思う。デビュー作で既にそのレベルに達していたのだから驚きというほかない。

 

映画化もされ、売れている作品であるからこそ未読であれば是非読んで何かを感じて欲しい。ゼロ年代の日本のSFは伊藤計劃なしでは語れないはずだ。

 

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。

 

 

 

 

【1位】 旅のラゴス

筒井先生再び。生涯をかけて旅をするラゴスと、それに関わる人々を描いた連作長編。ページ数は232ページと短めだが中だるみや無駄な表現などは一切なく、読み始めればたちまち作品の世界に惹きこまてゆくだろう。

 

多作で知られる筒井作品の中でもトップクラスの読みやすさ、面白さで何より物語への没入感が非常に高い。読み進めていくほどに読者をワクワクさせてくれる作品だ。

 

さあ、あなたもラゴスと一緒に人生の旅へ出かけよう。

 

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

 

 

いかがでしたか?なんか半分くらいSF作家の紹介みたいになっちゃいましたが。今回のランキングは普段SFを読まない人向けにということで、作品としての読みやすさも重視して選定しました。ハイぺリオンとかニューロマンサーとか語りたい作品は他にもあったのですがまたの機会に。

 

あと、個人的には1位から20位までそんなに差はないんですが、ランキング形式の方がわかりやすくて良いかなと思い、僭越ながら順位をつけさせて頂きました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。