そらいろ!

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たまに見出しがしゃべったりします。

妖怪ウォッチにおけるメダルの価値と重要性について

最近どこに行っても目にするほどの大ヒットを飛ばした人気作品妖怪ウォッチ。今回は、時計とメダルと妖怪に支配されたこの大ブームがどのようにして生み出されたのかを勝手に分析。

 

 

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妖怪ウォッチはなぜ売れたのか

 

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結論から言えば妖怪のせい。妖怪たちが子供たちやその親にメダルを買い求めるように洗脳したという事実は確定的に明らかですが、一応後学のためにそれ以外の理由も考えておきましょう。

 

そもそも、妖怪ウォッチはニンテンドー3DS向けのゲームとして2013年にレベルファイブから発売。シリーズ1作目にして100万本を超える売り上げをたたき出し、一躍同社を代表する作品となり世間の注目を浴びました。

 

当初は低調とまでは言えないものの平凡な売り上げで推移し、その人気も決して高いものではありませんでした。風向きを変えたのは2014年1月からスタートしたテレビアニメ。さらにその直後に発売された「妖怪メダル」というプラスチック製のただのおもちゃでした。

 

 

多角的なメディア展開を見越した企画設計

 

レベルファイブの近年の作品を見るとわかるのですが、同社の作品は徹底したメディアミックス戦略をとっています。できるだけ多くの媒体を利用して露出を増やし、知名度を上げユーザーに刷り込みを行う手法です。

 

この方法は企画自体に将来の見通しを描いた明確なビジョンを持たなければなりません。その点社長の日野氏の卓越した手腕は称賛に値します。時計とメダルを組み合わせた巧みな販売戦略でゲームだけでなく玩具業界にも一大ムーブメントを巻き起こすことに成功しました。

 

 

子供にとっての「ステータス」という地位を得た妖怪メダル

 

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人は物を所有することで他者にに対し自分の能力、価値、優位性などを他社に主張しようとします。大人であれば例えばブランド物の服や時計、車や家などです。それは子どもも同じで、子どもたちの中で価値が共有されているものを所有しようとします。過去にもシールやカード、ゲームから消しゴムに至るまで様々なものがその対象とされてきました。

 

妖怪メダルは今まさに「子供にとっての価値そのもの」なのです。

 

この対象になるための要素として、「希少性」と「ランダム性」が挙げられます。希少性は、同じ商品の中に相対的な価値が高いものと低いものを配置した上で、高いものほど入手しにくくします。こうすることで、子どもたち(子どもに限りませんが)はより希少価値の高いものを求めようとします。次に、その入手困難な状況を作り出すための要素として「ランダム性」を組み込みます。もし、これらが種類ごとに個別に販売されていればそれぞれが欲しいものを買って終わりです。そこに希少性は生まれません。「何が入っているかはわからない」とすることで子どもたちは何度も何度もその商品を買い求めます。

 

 

「使う楽しさ」と「集める楽しさ」

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妖怪メダルは、それ自体の用途は非常に限られています。ゲームとの連動、時計にはめたら音が鳴る、おみくじ神社が1回遊べる(こちらについては後述)といった程度。集めたうえでデッキを組んで対戦する楽しみがあるトレーディングカードに比べると使う楽しさはほとんどありません。

 

カードゲームであれば「また対戦しよう」「次は勝とう」などといった収集に対するモチベーションが維持される仕組みが単独で備わっています。が、メダルにはそれがない。多くの人が価値を共有することによって実際よりも大きな価値を生み出しているわけですから、皆が忘れてしまえばすぐにブームは去ります。

 

ではなぜここまで売れたのでしょうか。ここでアニメとゲームにおける相乗効果が考えられます。毎週放映されているアニメを観ることによって、妖怪メダルの価値を定期的に確認することができます。言い換えれば、「アニメによって本来不安定なメダルの価値が保証されている」というわけ。さらに、毎日ゲームをしているわけですから作品の存在が忘れられることもありません。これが集める楽しさ単独でも人気を維持できる大きな要因です。

 

また使う楽しさを削ったことによって得られたメリットもあります。それは「対象年齢の拡大」です。ゲームやアニメの妖怪ウォッチはその作品内容から主に小学生を対象としているものと想定できますが、メダルはさらにその下の年齢層にも訴求効果が期待できます。メダルを所有しているだけで楽しいわけですから難しいルールやストーリーを把握する必要はありません。親に対して「ほしい」と一言いえばそれだけで手に入ります。簡単で嬉しいですね。こうして幼稚園や保育園、さらにその下の層まで取り込むことに成功しています。

そして「みんなが持っているから」とさらに売れます。子どもたちの間ではメダルを持っているのが常識とすら言えるのかもしれません。

 

 

希少な「大吉メダル」という存在

 

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メダル人気をさらに過熱させる要因となったのがこの「大吉メダル」です。主におもちゃ売り場やゲームコーナーに置いてある「妖怪おみくじ神社」という筐体でゲームをプレイすることで入手できます。妖怪メダル1枚につき1回プレイできます。戦いに勝利した上でおみくじを引き、大吉が出れば大吉メダルという非売品のメダルが手に入るという仕組み。

 

......なのですが、何を隠そうこの大吉メダル、手に入る確率が非常に低いのです。本当に低いです。全然出ません。ネット上では10分の1程度ではと言われていますが、戦いに勝利したうえでのおみくじがこの確率なので、かなり厳しい確率設定です。

 

さらに重要なのは妖怪メダル1枚で1回プレイできるという点。単純に考えて大吉メダルは普通のメダル10枚分以上の価値があるということに。その大吉メダルの中でも人気の種類とかあるわけですから、もう段々怖くなってきます。

 

とにかく、この「大吉メダル」という存在がこの妖怪ウォッチブームを巻き起こす上でで一役買っていることは間違いありません。私の近くのイオンモールでたまたまその様子を見たことがありますが、平日の8時過ぎにもかかわらず10組程度の方が並ばれていました。これも妖怪のしわざかな。

 

 

 

先日ゲームの3作目「妖怪ウォッチ3」が発表され、さらなる盛り上がりを見せる妖怪ウォッチ。今後の動向にも注目が集まります。

 

 

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